第12話

素直が一番...
288
2018/11/07 13:26

先生 「今日は、放課後に体育祭委員の集まりがあります。鈴木さんと一ノ瀬さんは、大ホールに行ってね。」





...昨日のが気になりすぎて、全然眠れなかった。
今日集まりあるのか.....気まずすぎるでしょ...。




















......はあ、少しだけ憂鬱な放課後が来てしまった。
結局、今日一日授業にも集中できなかったし体育で注意されるし...散々。

裕乃と一言も話してないし...柚香や佐倉にまで心配されたし....

今は二人で廊下を歩いているけれど、全然こっち向いてくれない。
...昨日のこと、私嫌じゃなかったのにな...。





あなた 「ね、ねえ...裕乃?」


裕乃 「......なに」





ほら。いつもならこっち向いて笑ってくれるのに...今日は、そっぽ向いたまま。
...地味に悲しい。





あなた 「私、昨日ね...」


裕乃 「言わなくていいから。」





遮られちゃった。
運良く集合場所について先に行ってしまった裕乃。

...そんなに冷たくしないくても良くない...?









「これで、集まりを終わります。ありがとうございました」





今日は、体育祭のスローガン決めだった。
...まあ、あんまり上手くまとまらず次に持ち越し。

.....帰る前に、裕乃と話したいな...





あなた 「ひ、裕乃...」


裕乃 「....じゃーな!」





聞こえてたはずなのに...裕乃は他の男子に挨拶をして足早に教室を出ていってしまった。

そんなに避けなくても、いいじゃん...。





あなた 「裕乃..!」





ちょっとだけイラッときて、悲しくて...思わず背中を追ってしまう。





あなた 「裕乃、待って。」


裕乃 「...ごめん、仕事あるから。」


あなた 「ちょっとだけでいいから、話しようよ」


裕乃 「話す事なんかないだろ。」


あなた 「私はあるよ...!止まって。」


裕乃 「俺はないから。...あの事なら謝ったし...まだ謝罪が足りないなら、もっと態度で示すから。」





...はあ!!?
もーー!頭きた!!!!





あなた 「はぁ...鈴木裕乃!!」





大声で名前を呼ぶ。
裕乃がこっちを振り返る。
...あ、やっとこっち見た。





あなた 「あんたね!自分の事ばっかり責めちゃってさ!私の気持ちなんて一ミリも聞いてくれないじゃん!」


裕乃 「...あなた?」


あなた 「私は!!...私は、突然すぎて驚いたけど....い、嫌じゃなかったし!..ちょっと嬉しかったの...。」


裕乃 「え...」


あなた 「だから、謝らないで!!」


裕乃 「は、はい!」


あなた 「で、私の事避けるのもやだ!...わがままかもしれないけど、裕乃と話したいし、たくさん笑い合いたいの!...だから、だから...」





まだ話してる途中なのに...それは、裕乃の唇によって遮られてしまった。





あなた 「ん、んん...っ」





またまた突然すぎ!!!
...言ったらやっていいかって言われたらそうじゃないけどさ!...なんか、これは心臓に悪すぎるよ...





裕乃 「じゃあ、これからはハグもキスもしていいってことだよな?」


あなた 「そ、そういう事じゃない!!ばか!!」


裕乃 「は?!そういう意味じゃないのかよ!」


あなた 「違います!!ほんと、ばか!」


裕乃 「...もしかして照れてんの?」


あなた 「照れてないから!」


裕乃 「照れてやんのー、かーわいい」


あなた 「...やっぱ嫌い!」


裕乃 「なんだよそれー!」


あなた 「...は、早く行かないと仕事遅れちゃうよ!」


裕乃 「あ、マジだ!やば!!じゃーな、あなた!」


あなた 「き、気をつけてね...ばいばい。」





言い争いの嵐がすごく早く過ぎていった。









...やっぱり素直が一番だよね。





さっきまで触れていた唇がまだあたたかくて、ドキドキしてしまう。




...今すぐにでも「好き」って言いたい。

プリ小説オーディオドラマ