第6話

Six
1,124
2019/01/04 00:36
涼太
亜嵐くん…なんで…





















涼太に見られてたことを知ったのは、


その、次の日だった。







































帰り道の途中、







あなた

あ、亜嵐、覚えてる?

亜嵐
んー?何を?
あなた

朝言ったことだよ

亜嵐
あー、俺ん家来るとか何とか
あなた

そうそう!いいよね?

亜嵐
うん
あなた

やったー、久々だー

亜嵐
てかさ、あなた
あなた

ん?

亜嵐
女子の友達とかいない訳?
あなた

いやいや、いるよ?ちゃんと。

亜嵐
そ。
あなた

うん。なに、心配してくれたの?

亜嵐
ぼっちなんじゃないかって
あなた

ひどっ。

亜嵐
はぁ?あなたから言ってきたんだろ
あなた

あ、着いたー

亜嵐
おい誤魔化すな。
あなた

おじゃましまーす

亜嵐
あー、言っても無駄。今誰もいないし。
あなた

あ、そうなんだ…。






そんな目で俺を見ないでほしい。




本当に何するか分かんない。






 



あなた

亜嵐の部屋行ってもいい?

亜嵐
…いい、けど







昔から数え切れない程俺の家に来たこともあるし、






お泊りだって普通にしたことがある。












でも、今のこの状況は違う。






ふたりとも高校生だし。













あなた、分かってんのかな。



















あなた

わー、なんか全然変わっちゃったね

亜嵐
うん。まぁね。


俺の部屋に入るや否や、



まず部屋を見渡して、




ベッドに飛び込んだ。









あなた

ぅわー、めっちゃフカフカするー

亜嵐
そりゃどーも。
あなた

ふふ、亜嵐の匂い…

亜嵐
っ、ここに本物いるけど
あなた

眠くなってきた…

亜嵐
また寝るんじゃねーぞ





ベッドに寝るとか、





あなたほんとに何も考えてないわけ?










亜嵐
なんか飲み物もってくっから。
あなた

はぁーい


















階段を降りてるとき、




ずっとあなたが頭から離れなかった。










亜嵐
オレンジとリンゴどっちがい…






こいつまじで寝てやんの。







はぁー…















最悪だ。









 









亜嵐
あなた、何されても知らないからな
あなた

っ…え?




寝てるあなたの上に、


俺の体。





そしたら、あなたが起きてくれた。











亜嵐
この状況分かってる?
あなた

ん…どういう、こと…?

亜嵐
…っ、なんでもねーよ




ちょっとくらい、






ドキッてしてほしかった。












あなた

ね、ほんとにどういうこと…?

亜嵐
ほんとに何でもない。






そう言いながら俺もあなたもベッドからおりた。





亜嵐
…もしお前に彼氏ができても、…いや、なんでもない






さっきから“何でもない”ばっかり言ってる。








…言葉が出てこない。









あなた

…いただきますっ

亜嵐
どーぞ。








あなたは下に座ってジュースを飲んでる。








亜嵐
でさ、話って?
あなた

恋バナ!

亜嵐
…涼太のこと?
あなた

うん…亜嵐はいないの?

亜嵐
俺は…








あなただよ。











あなたのことが好きだよ。















あなた

うん…

亜嵐
いない。
あなた

えー…つまんなーい

亜嵐
うそ。いる。
あなた

どっち?!

亜嵐
いるけど、いない。
あなた

あー、はいはい。いるのね。

亜嵐
そういうことでいいよ
あなた

…亜嵐さ、涼太くんと同じクラスだよね

亜嵐
そうだけど?
あなた

いや、いーなーって、思って

亜嵐
ほんと、あなたと代わりたいくらいだよ
あなた

えっ?涼太くんと亜嵐仲悪いの?!

亜嵐
ちがくて、



ほんとに鈍感だな。





あなた

でもほんっとに羨ましい

亜嵐
うんー
あなた

…やっぱり、涼太くん、かっこいいよねー

亜嵐
顔で選んだの?
あなた

ちがうちがう!

亜嵐
じゃあ、なに?
あなた

私のこと、助けてくれたんだ。それで、気になって

亜嵐
助けて、くれた…?
あなた

うん。…涼太くん、運動神経抜群だし、優しいし、かっこいいし、





助けてくれた、って、









俺の知らないこと?










あなた

話とかも面白いし、ものしりだし、頭もいいし、英語上手いし、

亜嵐
そんなの俺もじゃん
あなた

え?

亜嵐
俺だって運動できるし
あなた

いやー、でも、亜嵐、サッカーの試合出れないんでしょ?

亜嵐
…ほんと、いい加減にしろよ
あなた

っえ…









いろいろ限界で、






さっきみたいにベッドに押し倒した。

















あなた

亜嵐…

亜嵐
涼太涼太って、少しくらい俺のことも考えろよ
あなた

ごめんね…話変えよ?

亜嵐
俺のこと、少しでも考えたことある?
あなた

そんなの、…いつも、考えてるよ…?

亜嵐
俺は…っ、












あなたのことが、




好きなのに。























亜嵐
…ごめん、今日は帰って









そう言って、あなたを帰らせた。



























あなたが帰ってから、1人の部屋に入って思った。



















亜嵐
…最低なこと、したかも

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