第2話

過去1
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2018/12/01 02:03
中学1年生の冬休み。

俺は、"叶わない恋"をした。

恋なんてしたこともなかった。

する予定もなかった。

だけど、好きになってしまったものは

仕方がない…のかもしれない。

あいつを好きだと自覚した時、

俺は困惑とか恥じらしさとか、

そんな感情よりも先に、絶望感に襲われた。

あいつは1番の親友だった。

……そして、同性だった。

あいつ、悠太に出会ったのは

小学生の頃だった。

小学生に入学したての頃、

ずっと独りぼっちで、友達ができなかった

俺に、「一緒に遊ぼ!」そう無邪気に

話しかけてくれたのが悠太だった。

悠太は男子とは思えないほど可愛くて、

小さくて、背の順で整列するときも悠太は

1番前で、腰に手を置いて前ならえを

する役だった。

それは今でも変わらない。

その時から変わらないことは

もうひとつある。

それは、悠太が女子からモテるということ。

彼女やらリア充やらとはほど遠い俺は、

そんな悠太を尊敬していた。

その一方で、悠太は渡したくない。

そんな思いもあった。

今思えば、俺はこの頃からずっと、

悠太を想っていたのかもしれない。

だけどその当時小学生だった俺は

そんな事考えもしなかったし、

思いつきもしなかった。

大体、男同士付き合う事があるなんて、

知るはずもなかった。

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