_愛華Ver.__
今日はまた補習の時間…
はぁ…ただでさえ彰人のことで辛いのに…
追い打ちをかけられるなんて、。
なんなの先生はッ…
いきなりそんなこと聞いてきて…
…たしかに失恋だけど…
先生に言ったって馬鹿にされて終わりだもん。
けど…
……ありきたりの言葉でも…
先生に言われると素直に受け入れてしまう
その通りだと思ってしまう
先生だからかな?
そうだよね…きっと。
何いってるんだ私は…
でもこんな風に気軽に話せるのは、
楽しく男子と話せるのは
彰人と先生くらいだ。
先生はすぐ馬鹿にしてくるけど優しい。
彰人とそっくりなんだ…
先生が生徒に恋するなんて
ドラマや映画でしか聞いたことがない…
けど心音先生は20歳ちょっとで若い。
生徒からは…特に女子からはとても人気。
声とか顔とかカッコイイし…?
だからそんな妄想の中でしか
できなそうな恋愛だって先生には
できちゃうのかもしれない。
けど、それが出来たとしても…
もし先生という立場の人が
たとて両思いだとしても生徒に手を出せば…
先生の人生は終わってしまうかもしれない。
なんだか…
そういう顔を見ると言葉を失う。
冗談というのは嘘なんじゃないんですか?
なんて言える訳もなく。
ただ無言になって、
結局先生に任せておしまい。
ごめんなさい…先生。
力になれなくて
_駆Ver.__
また愛華を困らせてしまった。
いつも愛華を困らせてしまう。
それが仕事じゃないのに。
それが俺の任務じゃないのに。
失恋して苦しんでるのに
追い打ちをかけるように俺は余計な心配を
かけてしまった。
愛華は今
何かを言おうとしたが、
すぐ言葉をしまった。
その理由がなんなのか、
その言葉はなんだったのか。
知りたいけれど、
それを聞けば俺はおかしくなってしまうかもしれない。
今なら愛華を手に入れることが出来るかもそれない。
そう思う自分が情けない。
ごめんな愛華。
こんな頼りない先生で。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!