とうとう夏休み突入。
早いね。夏休くるの。
まぁ…夏休みは楽しいんだけど、さ。
今私は彰人の家にいる。
一緒に宿題やろって話で。
けどさ?
私も彰人も成績は下の方。
勉強なんてまっさらごめん。
そんなふたりが一緒にいて勉強進むと思う?
そんなわけないよね。
私はここに来てやっと気づいたよ。
教科書やノートや筆記用具が散らばってるテーブルに顎を乗せてそう言う。
テーブル冷たくて気持ちいい…
その言葉を聞いて、思わず立ち上がってしまった。
夏休み入る前に約束したじゃん!
2人で夏休み行こって!
彰人こ言葉を聞いてストンと座る。
今の自分の気持ちを落ち着かせるために、
ポッキーを1本加える。
はぁ…お菓子っていいよね…
どれだけムカムカしててもお菓子を食べればすぐ落ち着く。
だから太るんだけど…
いいじゃん別に。
私今金欠だし?
彰人ってお金あっても意外と使わないから、
きっとたくさんお金あるんだろうな、。
私バイトしてお金貯めよっ…か、な……
ふぁッ…?
私のポッキーが奪われた…
というか…ポッキーの奪い方!
わざわざ私の加えてたポッキー取らなくても…
なんなのこいつは…!
別に私のこと好きでもないくせにそういうことやって!
……好きでもない…くせに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。