_彰人Ver.__
愛華が最近よく帰りとか誘ってくるようになった。
昼は断ったけど…
帰りまで断るのは可哀想だな。
帰りは一緒に帰るか…
そんな驚くか?普通…
え、なんで黙るわけ…?
まさか怒った?
無視したから?
そんな短気だったっけ…愛華…
それに…そんなずっと見つめられても困るんだけど…
なに嬉しそうな顔してんだよw
そんな俺と帰るのが嬉しいのかよ。
…なーんて言ったら殴られるんだろうな。
結局一緒に帰ることになって、
今帰り道を歩いてるけど…
会話がなにも生まれねぇ…
二人きりなんて久々すぎんだろ、。
いや、前までもこれが普通だったっけ?
俺らってどんな雰囲気でいつも過ごしてたんだ…?
それすらも分からなくなってきた…
……学校でのお前はどこいったんだよ。
あんなに目輝かせてたくせに。
今じゃ冷めた目しやがって…
また無視?
そっちから言っといて聞くな?
何言ってんの…
…あぁ、何言ってんだろ俺。
そんな事言いたいんじゃないんだ。
愛華を慰めたい…
愛華と笑い合いたいんだ…
なのに…
やめろ
やめてくれ…
楽しい時間を一緒に過ごしたいのに…
あぁあ。やっちゃった。
せっかく2人きりで帰れる時間だったのに
愛華の事怒らせて…
愛華1人で帰らせて…
俺は…なにしたいんだよ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。