_奈々Ver.__
鈴木先輩と莉沙…
ほんとに付き合ってないのかな。
前に鈴木先輩に聞いた時も違うって言われたし…
本当に違うんだろうな…
いや、けど…
どっちも嘘をついてるとしたら…
私はうまく避けられてるってこと!?
そんなの悔しすぎる…
そんなの嫌…今すぐ真実を知らないとっ…
まずは、鈴木さんの元へ…!
ぶつかるのはこれで何度目か…
まぁ、私が悪いんだけど…
いきなり廊下走って角曲がったから…
か、からかわれた!?
それだけでも幸せ…
って!そんな場合じゃないでしょ私!!
鈴木先輩に本当の事聞かなきゃ…いけないんだ!
もっと深く聞くはずだったのに…
なのに聞けなかった…
鈴木先輩の笑顔はどこかひきつってて…
嘘ついてることなんてあっという間に分かった。
無理させてるのは…私だ。
先輩
ごめんなさい。
私…
ちゃんと
先輩のこと諦めます。
_慎也Ver.__
ついあんなこと言っちゃったけど
強すぎたかな…?
いや、奈々はそんなすぐ傷つくような子じゃないか…
学校にいる時は敬語。
そして、付き合う前と同じようにお互い接する。
それを約束した上で俺らは付き合った。
なんでっていわれても、
すぐ答えは出せないけど…
あ、拗ねた…
ヤキモチ、かな。
可愛いなぁ…そういうの。
そんな顔見せてくれるなんて思ってなかった。
こんな風に、
学校でキスすれば照れながら注意してくる。
その顔もまた可愛くて…
もお…最高なんだよな…
莉沙の一つ一つの表情が、声が。
全てが好きなんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!