第4話

潔癖症‐梨央奈‐
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2018/06/30 02:44
私には憧れの先輩がいる。
その先輩は3年生で…潔癖症。

誰かが触れようとするととても嫌がる。
それに、恋をすること自体を嫌っている。
だから私が告白しても…嫌われるだけ。

それでも私は…先輩の隣にいたい!
梨央奈
梨央奈
せ、先輩!
おはようございます!
響
……
梨央奈
梨央奈
ヴッ…
眠たいだろうか…
とても視線が冷たい……
梨央奈
梨央奈
せ、先輩?
ほら笑顔笑顔~…!
響
…元気だな。
梨央奈
梨央奈
ッ…はい!
先輩が返事してくれた…!
いつもは眉間にシワを寄せながら通りすぎてくのに…

と、というか!
私はお昼ご飯を誘いに来たんだった…!
梨央奈
梨央奈
一緒にお弁当…食べませんか…?
響
……
うわぁ…みたいな顔された…
相当嫌なんだろうな…

ここは引かなきゃだよね…
しつこくしすぎて嫌われたら嫌だし…!

いや、もう嫌われてるのか…?
梨央奈
梨央奈
す、すみません…
1人で食べる方がいいですよね…!
響
頷かれた…本当にそうだったんだ……

先輩は本当に1人が好きなんだな…
梨央奈
梨央奈
それではッ…
ていうか…私の愛想が悪いだけかな…?
もしそうなら私が変わらないと…

中宮先輩がこうなのはいつもの事だし…!
それに、今日は返事してくれたんだから大きな進歩だよ!うん!!

……みんな…なんで中宮先輩なの?って聞いてくるけど…私には、とてもかっこよく写ったの…




_3ヶ月前__

これは、私が花壇の花に水やりをしてる時だった。

その時期に私は1部の女子に嫌われてて…
私が水やりするために使ってたホースを奪われて、その時にそのホースで水かけられて…

いじめられっ子にはありきたりのいじめだろうけど…
私には初めての体験ですごく怖かった…

それに、水のせいで制服は濡れまくって…
寒くて辛くて…怖くて……

そんな時に助けてくれたのが中宮先輩だったの。
響
……寒くねぇの。
梨央奈
梨央奈
…え?
響
…寒くねぇのかって
梨央奈
梨央奈
さ、寒いッ…!で、す…
響
……あっそ。
え、ええ!?
ただ寒いかどうか聞いただけ…!?

助けてくれるかと思ったのに…
響
……
梨央奈
梨央奈
え…タオルッ…これ先輩の…!
響
……拭け
梨央奈
梨央奈
ッ…はい。
先輩が潔癖症なのは知ってた。
だから、私なんかにタオル貸しても大丈夫なのかな…?

…けど、先輩は嫌なことは絶対にやらない人だ。
ここは素直に受け入れて拭こう。
拭かなかったら逆に機嫌悪くなっちゃいそうだし…
梨央奈
梨央奈
ありがとうございました…!
響
……保健室。
梨央奈
梨央奈
…?
響
行くぞ。
梨央奈
梨央奈
えっ…?
あっ…さっさと行っちゃった…

とりあえず、大人しく着いてくことにしたけど…
梨央奈
梨央奈
あのぉ…?
響
……
保健室までの道のりの中一言も口聞かない気なのかな…!?

まぁ、けど…中宮先輩の声聞いたの…今日が初めてだったし…

でもでも…
ちょっと塩対応すぎない…?苦手なタイプかもな…
そんな事考えながら歩いてると、保健室についた。

先輩が保健室にさっさて入っていって、すぐ戻ってきたと思ったら…
梨央奈
梨央奈
ッ…!?
響
………使っとけ。
梨央奈
梨央奈
は、はい…
カイロ投げつけられた…だと…!?

……先輩、不器用なだけで、実はすごく優しいのかな…?


_現在___

そんなことがあって今に至る。
あの時は…苦手意識がちょっとあったけど、その後も何度か先輩は私のことを助けてくれて…

けど先輩自体は、助けた覚えはないって言ってて…少し残念、かな……

いや、結構残念…

でも…それでも!
くじけないで先輩に近づくんだ…!

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