_莉沙Ver.__
お兄ちゃんに告白して…
私の恋が終わった日から1週間が経った。
最近誰とも話してない…
学校にだって行けてないし…
失恋が原因で欠席なんてかっこ悪いな…
慎也くんに変な思われたかなッ…
絶対そうだよね…
会いたい…声を聞きたい…顔を見たい……
慰めて、ほしいッ…
_慎也Ver.__
今日も莉沙が学校に来てない…
理由は誰も知らなくて、
心配でLINEを送っても返信がない。
莉沙に何があったんだろ…
まさか重たい病気!?
いや、けど…心音先生はいるし…
ッ…?着信音……
え…莉沙から!?!?
めっちゃびっくりした…
お願い…?なんだろう……
今日の放課後…
話…?
まさか告白!?
いやそんなわけないか。
…だって莉沙は兄が好きなんだから、。
いまはあえて…
何故かなどは聞かないでおこう。
きっと俺と会う理由はこの1週間で何があったかを打ち明けるためだろう。
俺は莉沙を慰めることしか出来ない。
莉沙に言葉かけることしか…
それ以上のことは望んでは行けない。
望めない。
だから…
_莉沙Ver.__
時間になった…
放課後…学校で。
慎也さんが待ってる。
今になって怖くなってきた…
これを言ったら…慎也そんに嫌われるかもしれない…
どうしよ…やっぱりやめようかな…?
けど…そっちの方が嫌われちゃうかも…
1度言ったことは取り消せない…
だから…
行こう。
あぁ…久々に聞いたな…この声。
大きな声だけどとてもよく通って…
うるさいんじゃなくて心地いい声。
どうしよ…
その顔見ると…声聞くと…
涙が出ちゃうんだよッ…
なんで、でしょうか……
あわあわとしながら、
此方に来てくれる慎也さん…
ごめんなさい…ごめんなさいッ…
私何考えてるかわからないですよねッ…
言わなきゃいけないこと言わないし…
勝手に泣き出すし…
本当にごめんなさッ_
私今…抱きしめられて…?
……落ち着く…
私よりもおっきい体。
あったかい……
慎也さんなら…私をッ……
そう…そうだよ……
慎也さんは私が何を言っても嫌わなかった。
いつも好きでいてくれた…
その優しさがほしくて。
そのいつもの言葉がほしくて。
ここに来たんです…
慎也さんの"なんでもない"は
今まで何度も聞いてきた。
けどその"なんでもない"は私に気づかれないためで…
今回のは自分自信にも言ってる気がする…
そうだ…私はそれを話に来たんだ……
言わなきゃ…
お兄ちゃんに告白して…振られて。
私の恋が終わったこと…
私の新しい恋のこと……
慎也さんは優しい人だ。
"うん"
その言葉だけでも嬉しいの。
しっかりこっちを見て言ってくれてるから…
否定しようだなんて一切思ってないから…
こうやって…いつも私を褒めてくれる…
けどその代わり慎也さんは…
自分ことを下におろして話す。
まるで自分の価値は低いかのように話す…
あれ…好きな子にすら…?
慎也さんに好きな人がいる…?
苦笑いしてる慎也さんはとても気まずそうだ…
本当は気づかれたくなかったのかな…
_慎也Ver.__
莉沙と出会って1年が経っている。
今は7月で半年がプラスされた。
そんな短い間で莉沙は…
俺を対象に少しでもしてくれたのかな…?
今告白しちゃおうか…?
運動部の掛け声が聞こえる…
吹部の演奏も…
あぁ…そういえば俺…引退したんだったな。
3年生はそうだ…
最後の演奏は莉沙と一緒に出来なかった。
今週コンクールがあったから…
すごく寂しいな…
けど今ここで告白して成功すれば…
今後も一緒にいられる。
こんな真面目なの…俺らしくないな…
けど…こんな時まで巫山戯るなんてできない。
(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。