_愛華Ver.__
数学は本当に憂鬱だ…
ただでさえ勉強できないのに数学なんて無理に決まってる。
それに…数学の心音先生は抜き打ちテストをやるからタチが悪い…
きっと今日も…
ほらね…
みんな、えー!とか。まじかよ!とか。
色々文句言ってる…
口にしないだけで内心やばい人もいるだろうな。
それが私なんだけどさ。
丁度昨日復習すらしないで寝ちゃったしぃ…
終わりだ…
はぁ…始まっちゃった……
私は1番後ろの席だから最後に配られる。
最後の人までテスト用紙が渡り切ったか確認するために、心音先生はこっちを見てくる。
その度に目が合うから今日は目を下げてみる。
その時、いつもより問題が多いことに気づいた…
最悪…
なんで今日に限って…
_駆Ver.__
俺は先生だ。ちゃんとした。
たまに生徒から告白される事はあるが全て断っている。
その理由として、先生だから。というのはもちろんあるのだが…
俺にはちゃんと好きな人がいる。
俺の恋は絶対に叶わない。
叶っちゃいけない。
生徒に恋するなんて、先生失格だよな。
秋村 愛華。
成績はとても悪い。
だが授業は意外とちゃんと聞いてていい子だ。
愛華を好きになったのは俺が初めてここに来た時だった。
この学校になれてない俺を少しながらサポートしてくれていた。
教室の場所やこの学校の小さなルールなども教えてくれていた。
別に、それが特別だったわけじゃないだろうけど、俺は生憎そういうのに弱かった。
俺が愛華に恋してることは誰も知らない。
妹の莉沙にすら言ってない。
生徒達のテストの様子を見にいけと、
大勢はもう全て回答済みだったのだが、
愛華だけは違った。
1問も埋まってない…
頭が悪いのは知っていた…
だけどここまでとは…
愛華の幼馴染の彰人も成績が悪いが、
見に行くと数問解けていた。
愛華は1番頭が悪いのでは…?
すごいブツブツ呟いてる…
これ一応少し成績に関係するからな、。
今度教えてやるか。
別に下心とかは全くない。
多分。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。