〜隆弘side〜
俺は、宇野と一緒に歩いているあなたの
背中を見つめる。
考え込んでいると
リーダーや秀太と話していただっちゃんが
こっちへきた。
──回想──
俺は、昔のあなたとの思い出を
思い出し、改めて分かった。
俺は何も持たずに駆け出した。
ただただ、あなたに会うために
伝えるために、走る。
すると前に、泣いているあなたと
それを慰めている宇野がいた。
一瞬戸惑ったけど
もう、考えずに
思いのままに走って
あなたに追いつく。
するとあなたはゆっくり振り返った。
そう言うと、宇野は
にこにこしながら帰っていった。
お互いに無言で
困っていると
段々と人が集まってきた。
俺はとにかく夢中で
あなたの手を引いて駆け出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!