何とかして脱出しないと
私は凍らせてから割ろうとした。
すると、手は砕けて脱出できた。
それでもまだケガレは2体いる。
一体のケガレは片腕がなく、もう一体はまだ無傷…
しかも、もしかしたらあの新種の可能性もある!
とにかく確実に倒していかなきゃ!
私はケガレに攻撃を次々に繰り出していく。
ケガレの傷がシューッと塞がっていき、腕も生えてきた。
なんなのよこれ!
不死身のケガレ?!
めげずに何度も何度も致命傷をおわせても、倒れる気配すらない。
突然、ろくろの叫び声が聞こえたかと思えば後ろだと言う
すぐに後ろを振り向いた。
グサッ
私のお腹に優斗の剣が突き刺さった。
いつの間に私の後ろに来たんだろう
ろくろと戦っていたはずじゃないの?
ズブリ
剣が抜かれて、私は地面に真っ逆さまに落ちた。
ズドォォン!
ろくろが慌てて駆け寄ると、クレーターのできた地面の中心にお腹から血を流した雪がぐったりと横たわっていた。
頭からも血を流し、出血が多すぎる
意識がないのか、呼びかけても反応しない。
怒り狂ったろくろと余裕そうな優斗が戦っていると、雪の手がぴくりと動いた。
意識を取り戻した雪は、激痛に必死に耐えていた。
ろくろは押されているらしく、ボロボロなのに対して優斗は全く余裕そうだ。
このままだとろくろがっ!
私は必死に体を動かして、呪符を取り出した。
真っ黒で何も書かれていない呪符
これは、今の私にできる最善の事だから
私が唱えた瞬間、呪符から真っ黒なモヤが一気に吹き出す。
それを見た瞬間、優斗は怒り狂ったように叫んだ。
ろくろは何が起こっているのかわからないようで、ぽかんとしている
黒いモヤが一気に優斗を包んだ。
優斗は叫び声を上げたかと思うと、地面に倒れ込んだ。
目を真っ赤に純血させ、私を睨みつけると消えていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。