私は刀で優斗に斬りかかろうとした。
でも、軽々と避けられてしまった。
からかうような優斗にイライラが募る。
挑発に負けちゃだめ…
私の放った攻撃が、命中して優斗は空き家に叩きつけられた。
だけど、それで終わりなわけがない。
空き家をじっと見つめていると、口元についた血を拭いながら優斗がよろりと立ち上がった。
優斗が術を唱えた途端、大型のケガレが5体ほど現れた。
どれも大きすぎる…
ろくろと優斗は激しい戦いを繰り広げながらどんどんと離れていく。
私はこの5体のケガレを何とかしなきゃ
私が唱えると、ケガレ2体が調伏された。
一斉に襲ってくるケガレの攻撃を避けながら、確実に攻撃を仕掛けていく。
一体のケガレをバラバラにした後、あることに気づいた。
残りの2体だけ、何かが違う。
何が違うと聞かれれば答えられないけれど…
一体のケガレが私に手を伸ばしてきた。
飛び避けようとしたけれど、動けない。
さっきバラバラにしたケガレの腕だけが私の足を掴んでいた。
どうして?!
調伏もしたはずなのに!
そのうちにケガレの手が私を掴んだ。
ギリギリと締め付けられる体
術を唱えて腕を爆発させたけれど、手は爆発できずに私を掴んだまま落ちた。
体と切り離されても力は緩まず、逆にどんどん締め付けられていく。
ボキッと嫌な音がしたかと思うと、口から血を吐き出した。
このケガレ、やっぱりおかしい!
遠くの方から私を見たろくろがこっちへ来ようとした
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。