第11話

喧嘩
586
2018/10/07 20:23
家に帰る途中の事だった。

雪
はぁ…はぁ…
雪
(だるい…)
病気の症状なのか、異常に体がだるい


今日のご飯当番は私なのに…


とにかく、ふらついて歩けないのですぐそこにあった公園のベンチで休むことにした。


しばらく休んだあと、帰ろうと立ち上がるとグラッと体が傾く。
雪
っと…危ない
倒れそうになったのを堪えて、ゆっくり実況家に向かった。
雪
ただいま…
ろくろ
ろくろ
おい雪!
雪
…?
ろくろ
ろくろ
今日の飯当番お前だろ?!
ろくろ
ろくろ
しかも遅い!
飯は俺が作ればいいけど、心配しただろ!
雪
ごめん…
ろくろが怒鳴った時、少しふらついたけど多分バレてない
ろくろ
ろくろ
で、なんでこんなに遅れたんだ?
雪
えっと…道が工事してて
ろくろ
ろくろ
嘘だ、工事なんてしてない
ば、バレた
雪
急に雨が!
ろくろ
ろくろ
降ってねえよ
雪
えっと…雷が
ろくろ
ろくろ
本当のこと言えよ
雪
……
黙った私を見つめたろくろから目をそらした。


すると、舌打ちが聞こえた
ろくろ
ろくろ
チッ、そんなに信用してねぇのかよ
雪
そんなことっ…
ろくろ
ろくろ
遅れた理由も言えないんだろ?!
雪
違くて…
ろくろ
ろくろ
はあ、もういい
ろくろは怒って自分の部屋へ入って、大きな音を立てて扉を閉めた。
雪
…ごめんなさい、ろくろ
私の小さな声はろくろには届くはず無かった
雪
(グラッ)
雪
やばい…
壁にもたれてなんとか倒れずに済んだけれど、もう限界


早く部屋に戻ろう


ゆっくり歩いて自分の部屋に入った時だった。
雪
(グラァ)
視界がぼやける、どころじゃない


全ての色がぐちゃぐちゃに混じっていくような感じ




ドサッ



体に小さな衝撃を感じた。


倒れたんだ


そう理解したのもつかの間、体は動かないし意識も朦朧としてくる。
雪
ろ…く、ろ…
私はそこで意識を飛ばした。

プリ小説オーディオドラマ