第9話

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2018/11/03 23:57
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
ごめん、俺、嘘ついた。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
え、嘘?
斗真はうなずいた。目を逸らして、眉毛までもさがってしまっていた。
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
今日、生徒会の集まりあるっての、嘘。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
え、なんで、そんな嘘…

斗真は黙って、ひとつ、息をついた。




赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
山崎と、一緒にいたくなったから。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
…え?
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
部活終わってから、一緒帰りたかったから。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
え、ちょ、斗真…


真っ直ぐに見つめられて、言葉が出なかった。
見たことの無い表情は、男らしくて、とても友達として一緒にいるときの顔じゃなかった。
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
一緒に、帰ってくれないか?


私は静かに、でも、大きく頷いた。


あのとき、自分でも、どういう気持ちでいたか、わからない。




























赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
太田たち、付き合うんだってよ。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
え、そうなの?
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
仁科から、らしいぜ。


意外、とほぼ息だけになってしまった言葉が二人の間を通り抜けた。





斗真はそれ以上何も話さなかった。

私の家の前に着くまでは。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
じゃあね、斗真。また。
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
なあ。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
ん?なに?
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
山崎って、蒼弥のこと、どう思ってんの?



斗真からこんな質問をされるなんて思ってもみなかった。

まさか、気付かれてる?





何も言えなくて下を向くと、
じゃあ、質問変える
と、斗真が小さい声で呟いた。
赤坂 斗真(あかさかとうま)
赤坂 斗真(あかさかとうま)
俺の気持ち、気づいてる、よな?

首を横にふろうと思って顔を上げると
はぐらかすな、とでも言うようにまっすぐ見つめられた。
山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
…ごめん。

ごめん、の言葉はだんだん落ちていって、
足元にインクを落としたみたいに広がった。

山崎 佳寿(やまざきかず)
山崎 佳寿(やまざきかず)
あ、のっ!


斗真は微笑んでじゃあな、と言った。

中学に入って、先生に注意されてから直したはずの、ポケットに手を突っ込む癖が出ていた。

斗真の背中を追って、なにか言った気がする。

きっと斗真には聞こえていないだろうし、
自分でも覚えていない。






でも、もういつものように笑ってくれないかもしれない、というのは私の考えの中に、
あった。

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