第2話

スレンダーマン ー後編ー
315
2018/06/15 17:00
・・・森の中に入ったのはいいが、あれから手がかりは全くない。
ただただ時間が過ぎるだけだ。
桜木 華
桜木 華
ねぇ・・・結構遅くなっちゃったよ。
桜木 華
桜木 華
もう帰ろう?
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
あ~、あとちょっとだけ探させて!
だめだ、この様子だとジェシーは
本格的に夜になるか、ハンカチが見つかるまでは
帰りそうにない。
はぁ、こんなことになるなら、ジェシーについて行かなければよかったかも・・・。
なんて・・・。
まぁ、こんなこと思っても何にもならないんだから。
私も、もうちょっとがんばってみますか。



ビューッ!




ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
わっ! また風がっ!
桜木 華
桜木 華
あっ!!
私は思わず叫んだ。

まただ・・・また・・。
ハンカチが見えた・・・!
桜木 華
桜木 華
―――ッ!
その瞬間、頭にノイズが走り視界が砂嵐のように乱れた。
それと同時に、散歩に行ったときのあの話を思い出す。
いやっ!
何で今思い出すのよ!
私の様子を見てジェシーは心配そうに駆け寄ってきた。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
ちょっちょっと!
大丈夫?華。
桜木 華
桜木 華
う、うん。
全然平気! ちょっと疲れただけだから!
私はとりあえずジェシーに心配をかけさせないように
わざと明るく振る舞った。
でも、やっぱりジェシーは不安みたいで
私に休むよう言って自分だけまたハンカチを探し始めた。
私はちょっと不安だったけど、でも
まさか、そんなこと、あるわけない。
このまま、結局、ハンカチは見つからなくて
残念でした~。
で、終わると思っていた。
でも、この考えが甘かった。
そう分かるのには、そう時間はかからなかった・・・。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
きゃぁっ!?
ジェシーの短い叫び声が聞こえた。
桜木 華
桜木 華
えっ!!
桜木 華
桜木 華
ジェシー? ジェシー?
聞こえてるの!
返事が・・聞こえない・・・。
不安がこみ上げてきて
私はもっと大きな声で叫ぶ。
桜木 華
桜木 華
ねぇ!! ジェシー!
悪ふざけはやめてよっ!
返事してぇっ!!
だめだ・・・。

・・・怖いけど。
・・・暗いけど。
探さなきゃ・・!
少し涙目になりながら、
叫び声のした方へ行く。

見つけた!

その事実に安心した・・・が
見つけた彼女は、仰向けに倒れていた。
私はすぐにまた怖くなって、ジェシーに駆け寄り
息をしているか確かめた。
息もしてる、脈もちゃんと打っている。
桜木 華
桜木 華
あぁ・・・。
安堵感から、たまらず声が出た。
桜木 華
桜木 華
よかった・・・。
ジェシー、起きて。
私はジェシーの肩を軽く揺さぶった。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
ん・・・。
桜木 華
桜木 華
あぁ! ジェシー!
よかった、本当に!
ジェシーが起きたと同時に、私はジェシーに抱きつく。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
・・・? は・・な? 華なのね!
あぁ、ぁあぁ!
怖かった!怖かったよぉ!
ジェシーも私に泣きついた。
わぁわぁとなくジェシーの背中をなで、落ち着かせる。
まだ、ジェシーから何も聞いてはいないが、一つ、私にも分かることがある。
・・・早く、この森を出なければならない。
ジェシーの話は、出口を目指しながら聞くことにした。
ジェシーをたたせる。
そのとき、
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
痛いっ!!
どうやら、倒れたときに足を強く打ってしまったようで
足からは血が出ていた。
桜木 華
桜木 華
あらら~。私の肩貸してあげるから。
歩けそう?
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
うん。なんとかいけそう。
こうして、私とジェシーは歩き出した。
出口への道は・・・暗いけど、ジェシーが何となく分かるらしいから。
案内を聞いていくことにした。
桜木 華
桜木 華
ねぇ、あのとき何で倒れたか。
分かる?
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
・・・スレンダーマン・・・。
桜木 華
桜木 華
え?
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
スレンダーマンを見たの・・・。
怖かった、じっと見てると、
恐怖で・・足が・・震えてきて、
がんばって目をそらしたら、倒れちゃって。
桜木 華
桜木 華
・・・。
息をのんだ。
ジェシーはこんな状況でような性格じゃない。
つまり・・・。

背筋が凍る。
桜木 華
桜木 華
だったら、なおさら早くでないと・・・。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
・・・ごめんね、華。
私が・・ハンカチなんて気にしなければ。
こんなことにならなかったのに・・・。
桜木 華
桜木 華
いいよ。今考えたって、過去は変えられないし
今はこの森を出ることだけを考えないと・・・。
私は少し後ろが気になって
チラッと後ろを振り向いた。

そのときだった、私の視界の端に今、一番見たくない物が見え
あのときのような、ノイズと砂嵐のような視界に襲われたのは。
桜木 華
桜木 華
えっ・・あっ・・
白い肌、とてつもない高さの背、黒い触手
恐ろしかった、一瞬だけ思考が止まったような感覚がした。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
華っ!!
ジェシーの声で我をとりもどす。
桜木 華
桜木 華
ごっごめんっ!
そして、もう一度、ゆっくりと後ろを振り向く。
桜木 華
桜木 華
あれ・・。
桜木 華
桜木 華
いない・・
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
? 何がいないの?
一瞬、言うのをためらったが
この状況下では、隠してもなんとなく意味がない気がした。
桜木 華
桜木 華
さっき、後ろを向いたときに
スレンダーマンがいたの、なのに・・
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
今はいなくなっていると。
私はコクンとうなずく。
恐怖で幻覚でもみたのだろうか?
桜木 華
桜木 華
ま、まぁいいや。
今は出ることだけに集中しないとね。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
ええ。
そうね。
そうして気を取り直し、前を向いたときだった。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
え・・・。
ジェシーが後ろに引っ張られたのは。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
いやあぁぁっ!!!
ジェシーが後ろに引っ張られたときに見えたのは
人間の手じゃなかった、

黒色の触手

そして、私はジェシーに叫んだ。
桜木 華
桜木 華
ジェシー!! 相手を見ちゃだめっ!!
叫んだ後、私も相手を見ないようにしながら後ろを振り向き、
手探りと勘でジェシーの腕をつかむ。
桜木 華
桜木 華
ジェシー! 今、私はあなたの腕をつかめてる?
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
えぇ!!
私はジェシーに確認した後、
思いっきり前に引っ張った。
桜木 華
桜木 華
ジェシーを離せぇぇ!!!
ふと、相手の力が弱まったかと思うと
そのまま思いっきり、ジェシーが前へ飛ぶ。
ジェシー・プライス
ジェシー・プライス
きゃぁっ!!
桜木 華
桜木 華
ジェシー、がんばって走って!!
私はジェシーの腕を引き、走った。
桜木 華
桜木 華
あっ・・
いきなり体が宙に浮く、
同時に両腕に感じる圧迫感・・・。
まさか!!!
察した、

今、私は捕まった。

その事実を知ってしまうと、余計に怖くなり
腕に巻き付いている“それ”を振りほどこうともがくが
だめだった、相手は私の思って以上に力が強い。
桜木 華
桜木 華
ジェシー!逃げて!
振り返らずに、早くっ!!
私は自分の死を悟り、
ためらっていたジェシーの背中を押す。

手の感覚がない・・・。
冷や汗が全身を伝う。
桜木 華
桜木 華
(私、死んじゃうのかな。)
ついに、スレンダーマンは私にその姿を見せようとする。
―――もう、だめだ・・・!

そのときだった、
ピカッ!!
光が奥の方から近づいてきている。
助けが来たんだ!
桜木 華
桜木 華
やっt・・!
ドサッ!!
桜木 華
桜木 華
痛っ!!!
手への圧迫感が消えた瞬間、かなりの高さから落ちる。
幸いにも枯れ葉が多かったから
それがクッションとなって衝撃を和らげてくれたようだった。
手に正座をした後のようなしびれがくることに
桜木 華
桜木 華
(――ああ、助かったんだ。)
と、安堵感と安心感を感じた。
その後すぐに、警察と両方の両親がきた。
最初は怒鳴られるかと思ったが、
お父さんとお母さんから最初に出た言葉は
両親
両親
よかった。
だった。
まぁ、この後にちゃんと説教はあったんだけどね。
ー数日後ー
あれから、病院に行ったり警察に行ったりして忙しい日々が続いた。
でも、どんなに二人で訴えても
誰もスレンダーマンの存在を信じてはくれなかった。
私が日本に帰ってからも、ジェシーとは
メールなどでやりとりを続けている。
ジェシーによると、結局、今回みたいなことが
その後も多発したらしく。
その森は立ち入り禁止になったらしい。
今思えば、やっぱりあれは
夢なんじゃないかって。
思ってしまう。
けれど、腕についた黒い跡が
その考えを、毎回打ち壊すのだ。
ーENDー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
         あとがき
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アップル
アップル
テッテレー!
祝完結!!
アップル
アップル
どうも、著者のアップルです!
黒波
黒波
アシスタント(オリキャラ)の黒波です。
黒波
黒波
おい、アップル。
アップル
アップル
はいっ。
なんでしょう。
黒波
黒波
なんでしょうじゃねぇ。
プロフ画像変わってないじゃないか。
しかも何なんだよ、所々にある
お前の語彙力と表現力のなさを示す文は。
アップル
アップル
あ、あ~。
それは、ご愛敬と言うことで。。
黒波
黒波
・・・うん。
後で話がある。
アップル
アップル
ひぃぃ!
ごめんなさい!
黒波
黒波
ま、こんな小説を読むやつも少ないだろうから
安心しろ。
アップル
アップル
安心できないんだけどっ!?
黒波
黒波
とりあえず、
こんな小説を読んでくれてありがとうございます。
応援やお気に入りなどされると、
こいつが死ぬほど喜びます。
黒波
黒波
で、これからはどんな話を書いていくつもりなんだ。
アップル
アップル
うわぁ・・。
台詞がぁ・・。
アップル
アップル
えっと・・
今からは、ちょっとした番外編を挟んだ後に
また、メインのお話かな。
黒波
黒波
うむ、聞いたからな。
言ったからにはちゃんと実行しろよ。
アップル
アップル
はい!
承知であります!
アップル
アップル
ということなので、これからも
暇のあるときに少しでも読んでくれると
うれしいです!
アップル
アップル
これからも、がんばるのでよろしくお願いします!!
第一章 「スレンダーマン ー後編ー」   終

いつになるかわかんないけど、続きをお楽しみに!

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