第8話

# 8
1,641
2018/05/25 09:53
あなた

え …?

時間 が 止まったかのよう ─────
白濱 亜嵐
ごめん …
雨 止んだから 帰るわ …
ごちそうさま!
美味しかったよ 。
私 は 、何も 言えなかった 。
いつの間にか 、玄関 が 開いた音 が して


閉まった 。
あなた

好き …?

もう一度 、亜嵐 クン の 言葉 を 思い出した 。
白濱 亜嵐
俺 、あなた が 好き 。
思い出したら 、顔 の 熱 が 一気 に


上がったかのように 、熱くなる 。
あなた

亜嵐 クン も …?
私 と 、両想い ?

嬉しかった 。


この世に ない 幸せ を 手に入れた 感じ 。


けど 、亜嵐 クン は そこから 何も


言わず 、帰っちゃった 。
どうすれば いいの … ?


学校 で 、" 私 も 好き " って


言えば いいの …?


混乱 して 頭 が おかしくなった 。
机 の 上 には 最後まで 


ちゃんと 食べきってくれた オムライス 。


さっきまで 、亜嵐 クン が そこに いた 。


それだけでも 、幸せ なのに ───
" プルプルプル … "
机 に 置いてある 携帯 が なる 。
あなた

あ 、電話 …

" 小森 隼 "


という 、通知 。
あなた

もしもし …?

小森 隼
あ 、先輩!
あなた

なに?

小森 隼
今 、暇ですか?
暇 に なった 。
あなた

うん 。
暇だよ ?

小森 隼
ちょっと 、見せたい
ものが あるんですけど!
あなた

見せたいもの?

小森 隼
この 、雨上がり が
丁度 綺麗なんです!
あなた

そうなんだ!
私 、洗い物 するから
終わったら 連絡 するね 。

小森 隼
了解です!
お迎えにあがりますね ~
あなた

ありがとう ~ 笑

小森 隼
でわっ!
あなた

は ~ い

ササッと 、洗い物 しよ … 


" パリーン …! "
あなた

きゃっ!

手 が 滑って 、コップ が 割れちゃった …
亜嵐 クン が 使ってた コップ 。
いつも は こんなこと しないのに 。


私 、焦ってる …?


戸惑ってるのか … ?


嬉しさ と 不安 が 入り交じってる 。
あなた

早く 、拾って 行こ …

ガラス の 破片 を 1 枚 1 枚 拾う 。
あなた

はぁ …

" チクッ … "
あなた

いっ …

切っちゃった …


しっかりしろ 。私 。
そして 、指 を 絆創膏 で 包み 、


洗い物 を 終える 。
" プルプルプル … "
小森 隼
はい!
あなた

終わったよ ~ !

小森 隼
なら 、行きますね !
あなた

待ってるね

そう言って 、終わった 電話 。


その後 の 沈黙 。


さっきまで 、楽しかった あの時 は


もう 、無くなって 現実 に


引き戻されてしまった。
あなた

はぁ …

" ピンポーン … "
インターホン を 見ると 、隼 。
私 は 、急いで 玄関 に 出る 。
小森 隼
おまたせ!
あなた

うん!

さっきの 服 とは 違って 


男子高校生 ! っていう


私服 だった 。
あなた

どこに 行くの?

小森 隼
さぁ !
どこでしょう
あなた

え ~ !
公園?

小森 隼
違います
あなた

海?

小森 隼
海 も 綺麗ですけどね ~ 。
違います 。
あなた

わかんない

小森 隼
先輩 、諦め が 早いですね 。
あなた

わかんないもん

小森 隼
展望台 です 。
あなた

展望台?

そんなの 、この街 に あったっけ … ?
私 は 、隼 が 行くままに ついて行く 。
夏 に しては 意外 と 肌寒い 。


さっき 、雨 降ったからかな …
小森 隼
先輩 、これ いいですよ 。
着ててください 。
と 、隼 が 上着 を くれる 。
あなた

隼 風邪ひくよ?

小森 隼
俺 、風邪 引かない
体質 なんで 。
5回 くらいしか ないですよ
あなた

結構 だね

小森 隼
ま 、俺 より 先輩 が
大事 ですから!
風邪 引いちゃ 困りますよ
あなた

なら 、お言葉に 甘えて …

袖 を 通すと 少し 生暖かい 。
少し 、歩くと
小森 隼
着きましたよ
そう言われて 見上げると 満点 の 星空 。
あなた

うわぁ …

綺麗 すぎて 、言葉 が 出ない 。
小森 隼
綺麗 でしょ … ?
あなた

凄い 綺麗 …

小森 隼
よく 、親父 に 連れてこられた
場所 なんです 。
あなた

お父さん …

私 も 、沢山 連れてってもらったな …
小森 隼
あ 、ごめんなさい …
つい …
あなた

別に 、大丈夫 だよ 。

ピカピカ と 輝く 星 は 


嫌なこと 全部 吹き飛ぶくらい


美しくて 、見とれてしまう 。
小森 隼
この 、美しさ を 是非
先輩 に 見て欲しかったんです
あなた

そうなの?

小森 隼
なんか 、今日 元気
ありません?
あなた

そんなことないよ

亜嵐 クン に 告白 された 。


なんて 、言わない 。


そんな 、自分 だけが 幸せ みたいなのは


嫌だから 。


ちゃんと 、相手 にも 幸せだな って


思える もの が あるのならば


私 も 、伝えたい 。
小森 隼
俺 、今 先輩 の 共感者 
として 、目線 変えます 。
そうして 、隼 の 顔 が 変わった 。


後輩 から 、


同級生 みたいな 安心 出来る 顔 。
あなた

隼 は 今 、幸せ って
思える 事 は ある ?

小森 隼
幸せ ですか …?
あなた

うん

小森 隼
はい!
ありますよ 。
あなた

そっか …

小森 隼
先輩 は?
あなた

私 …

隼 も 幸せ なんだから …
あなた

亜嵐 クン に 告白 されたの 。

初めて した 恋の悩み 。
小森 隼
え …?
あなた

私 も びっくりだよ …

小森 隼
良かったじゃないですか!
あなた

何で?

小森 隼
先輩 、亜嵐 先輩 の 事
好きだったんですよねぇ!
気づいてましたよ ~ ?
あなた

え 、嘘 …!
恥ずかしい …

気づかれるなんて …


さすが 、隼 。
小森 隼
付き合うんですか?
あなた

それが 、好き としか
言われてないから
分からないの 。

明日 、どんな顔 して 会えばいいか


わかんない 。
小森 隼
先輩 は どうしたいんですか?
あなた

え?

小森 隼
先輩 は 亜嵐 先輩 の 事
好きですか?
あなた

うん …

小森 隼
なら 、付き合った方が
いいと 思います!
両想い なんて 滅多 に
ありませんよ ~ ?
そういう 隼 の 笑顔 は


否定 出来ない 。
あなた

そうだね …
私 、頑張ってみる …

小森 隼
なら 、帰りましょ …
あなた

うん …

少し 、先 を 歩く 隼 の 姿 は


どこか 、大人っぽく 見えた 。
あなた

隼 、ありがとう 。

そう言うと 、振り返って
小森 隼
はい!
先輩 の 為 なら なんでも
しますから 。



ドキッ …




あれ …


今 、私 ドキッて …


気のせいか 。


明日 、頑張ろ …

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