時間 が 止まったかのよう ─────
私 は 、何も 言えなかった 。
いつの間にか 、玄関 が 開いた音 が して
閉まった 。
もう一度 、亜嵐 クン の 言葉 を 思い出した 。
思い出したら 、顔 の 熱 が 一気 に
上がったかのように 、熱くなる 。
嬉しかった 。
この世に ない 幸せ を 手に入れた 感じ 。
けど 、亜嵐 クン は そこから 何も
言わず 、帰っちゃった 。
どうすれば いいの … ?
学校 で 、" 私 も 好き " って
言えば いいの …?
混乱 して 頭 が おかしくなった 。
机 の 上 には 最後まで
ちゃんと 食べきってくれた オムライス 。
さっきまで 、亜嵐 クン が そこに いた 。
それだけでも 、幸せ なのに ───
" プルプルプル … "
机 に 置いてある 携帯 が なる 。
" 小森 隼 "
という 、通知 。
暇 に なった 。
ササッと 、洗い物 しよ …
" パリーン …! "
手 が 滑って 、コップ が 割れちゃった …
亜嵐 クン が 使ってた コップ 。
いつも は こんなこと しないのに 。
私 、焦ってる …?
戸惑ってるのか … ?
嬉しさ と 不安 が 入り交じってる 。
ガラス の 破片 を 1 枚 1 枚 拾う 。
" チクッ … "
切っちゃった …
しっかりしろ 。私 。
そして 、指 を 絆創膏 で 包み 、
洗い物 を 終える 。
" プルプルプル … "
そう言って 、終わった 電話 。
その後 の 沈黙 。
さっきまで 、楽しかった あの時 は
もう 、無くなって 現実 に
引き戻されてしまった。
" ピンポーン … "
インターホン を 見ると 、隼 。
私 は 、急いで 玄関 に 出る 。
さっきの 服 とは 違って
男子高校生 ! っていう
私服 だった 。
そんなの 、この街 に あったっけ … ?
私 は 、隼 が 行くままに ついて行く 。
夏 に しては 意外 と 肌寒い 。
さっき 、雨 降ったからかな …
と 、隼 が 上着 を くれる 。
袖 を 通すと 少し 生暖かい 。
少し 、歩くと
そう言われて 見上げると 満点 の 星空 。
綺麗 すぎて 、言葉 が 出ない 。
私 も 、沢山 連れてってもらったな …
ピカピカ と 輝く 星 は
嫌なこと 全部 吹き飛ぶくらい
美しくて 、見とれてしまう 。
亜嵐 クン に 告白 された 。
なんて 、言わない 。
そんな 、自分 だけが 幸せ みたいなのは
嫌だから 。
ちゃんと 、相手 にも 幸せだな って
思える もの が あるのならば
私 も 、伝えたい 。
そうして 、隼 の 顔 が 変わった 。
後輩 から 、
同級生 みたいな 安心 出来る 顔 。
隼 も 幸せ なんだから …
初めて した 恋の悩み 。
気づかれるなんて …
さすが 、隼 。
明日 、どんな顔 して 会えばいいか
わかんない 。
そういう 隼 の 笑顔 は
否定 出来ない 。
少し 、先 を 歩く 隼 の 姿 は
どこか 、大人っぽく 見えた 。
そう言うと 、振り返って
ドキッ …
あれ …
今 、私 ドキッて …
気のせいか 。
明日 、頑張ろ …
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!