第27話

恐怖
127
2018/10/06 17:38
しばらくして私は落ち着いた。

















私はもう一度、満遍なく棚の中などを確認した。













だが、それ以上は何も無かった。










扉を開けると、私は振り返らずに出て行った。














階段を降りている時、リビングの方から物音がした。



















響のお母さんが帰ってきたんだ。
















何か分かるかもしれない。












そう思い、バレないよう静かにリビングへ近づいた。













扉は閉まっていたが、少しの隙間はあった。















私はその小さな隙間からリビングを覗いた。















変わった様子は特に無い。










その時だ…!!















『未優ちゃん、お腹空かない?』








響のお母さんが台所の方から私を見ていた。









目が合った時、私は鳥肌がたった。













口は笑っているが、目は笑っていないことに気づいたからだ。











響のお母さんのそんな表情は初めて見る。










いや、今までは私が気付いていなかっただけなのかもしれない。












とりあえず、私は扉を開けリビングに入った。











『いえ、最近食欲が無くて……』










私はそう返事をした。







『そうなのね……。まぁソファに座って休憩してて。紅茶は飲める?』
















『飲めます』













そう返事をした後、私はソファに座った。














そして、何故響の部屋には物が全然無かったのか、もう一度考えた。











さっきまでは響のお母さんに聞こうか迷っていたが、止めた。













何を企んでいるのか分からない。












数分して響のお母さんが紅茶を持ってきた。












『どうぞ。』












響のお母さんが私の前に紅茶を置いた。














その後、響のお母さんが私の隣に座った。















『未優ちゃん、大丈夫?』














『はい、大丈夫だと思います。』














私は完全に大丈夫とは言わなかった。












私が目線を下に向けた時、響のお母さんが私を抱きしめてきた。














『本当に?瞼腫れてるじゃない。』












響のお母さんが何故抱きしめてきたのか、私はよく分からなかった。













『大丈夫じゃないみたいです。すいません、今日は帰ります』













抱きしめられた時、嫌な予感がした。













私はお礼をした後、すぐに響の家を出た。















この時、鞄に盗聴器が付けられていたことに、まだ未優は気づいていなかった。

























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