「感じ悪いなこいつ、とか思わなかった?」
俺は率直に聞きたいことを神谷に聞いた。
「え、なんで?思うわけないじゃん!あそこで案内するってなったとき嫌だとは一回も言わなかったし、ちゃんと理由も説明してくれたし、感じ悪く思うとこなんて一つもなかったよ!」
初めて接するタイプの女子に俺は困惑する。
「そう…なんだ…」
「うん!…それよりあれは何?」
「え、あ、あれは図書室。」
「図書室!?めちゃくちゃ大っきいんだね!」
はしゃぐ子どものような神谷は、俺に気まずい思いをさせないためにわざと明るく振舞ってくれているように思えた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。