僕は彼女の後について行く
でも周りの足音が聞こえなくなった
…彼女を1人にさせるのは心配だ
でもそれよりも…嫌な予感がする
行かないと
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彼女より先におばあちゃんの家についた
だが中からは悲鳴があがる
窓から覗いてみると
狼がお婆さんを食べていた
丸呑みだろう
気づいた時には家の中に入っていた
彼女…赤ずきんはもう少しで着いてしまう何とかしなくては
すると狼は僕を襲った
同じおおかみの僕を襲った
隣の部屋に投げられ鍵をかけられた
そう吐き捨てると狼はベットに潜り込んだ
と同時に赤ずきんが入ってきた
赤ずきんはそこに寝ている狼に質問をしていた
そして
僕は必死に扉を叩いた
が遅かった彼女は狼に食べられてしまった
僕は何も出来なかった
大好きな彼女が目の前で食べられているのに
何も出来なかった
…そんな僕が今できることは1つ
ドン
扉を突き破り狼を襲った
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このやり取りは10分もやった
すると扉が開く音が聞こえた
するとその人間は銃を向ける
そして
撃った
しかも僕の方に
胸のあたりを撃ち抜かれた
でもまだ呼吸はできる
止まるのは時間の問題だろうが
そしてもう1匹の狼も撃った
そっちは完全に呼吸が止まってるようだ
すると人間はハサミで狼のお腹を切り
おばあさんと赤ずきんを取り出した
すると何故か赤ずきんは僕の方へよってきた
少しじっと見つめた後
赤ずきんは首を振った
そう言って赤ずきんとおばあさんは家を出ていき僕と狩人だけが残された
最後の最後に彼女の笑顔が見られてよかった
僕は死んで完全にBADENDだろう
でも彼女の笑顔
それだけでHAPPYENDになれた
そんな気がした
狩人は銃を構えた
「ありがとう赤ずきん」
「悪役の僕もHAPPYENDしてくれて」
僕は静かに目を瞑った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!