あの日から、あなたは日に日に痩せていくばっかりで
見てると辛くなってくる。
この前病院で検査したらもうそんなに長くないつて。
最近のあなたはずっとベッドの上
そんな時にあなたがいきなり
「ぐく……。旅行…行きたい。」
『……。うん。行こっか。』
「え……。行っていいの?」
『あなたのわがままはなんでも聞くよ』
「ありがと!!もう歩けないから……車椅子か。歩いて旅行したかったな。」
『車椅子でも、普通に行けるからそんな落ち込むな。』
「そうだよねッ!!」
『何時行く?』
「明日!!」
『明日!?別にいいけど……。』
「やった。」
(きっとこの旅行がぐくと行く最後のお出掛けか。)
(きっと私の体はもってあと4日。時が速い。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今頃なんだけどシウの誕生日は8月ってことで今は9月の上旬という事でお願いします。
ー旅行2日目ー←1日目飛ばしましたByにんじん
「ねぇ。ぐく。海…行こ?」
『いいよ。』
「ここの夕日綺麗って有名なんだよ。知ってた?」
『知らなかった……。』
「ぐくと一緒に見たかったんだッ!ゴホッゴホッ」
『大丈夫?』
「うん。もう少しで今日が終わるね。」
「私、多分もうすぐでお迎え来る。」
「その時はさ、笑顔で見送ってね。泣いてたら安心して天国行けないじゃん?」
水平線を見ながら言う君は今までにないくらい綺麗だったのを覚えてる。
『分かった。』
next
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!