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第7話

#8
1,502
2023/03/30 02:05
【執着心】
永見×浜田

#1、#5の続きです


⚠️🔞作品
⚠️過激表現、独特表現有
〈浜田side〉

俺が、永見に囚われてからもう1ヶ月が経つ。
別に、監禁とかそんなことはされてへん。劇場にも普通に行ってるし、何不自由なく生活はしてる。



ただ、一つ変わったことは



永見「はーまだっ」
浜田「……なんやねん」
永見「早く帰ろう?」



こいつと同棲せなあかんくなったことや。
こいつの執着心は凄まじいものらしく、倒れたあの日、永見からこう提案された。



〝別に、浜田を縛り付けるつもりはないんや。僕と一緒に少しでも一緒にいて欲しいだけ。言うことさえ聞いてくれたら何もせんよ〟



こいつに俺の頭で叶うわけが無いと悟った俺は、渋々条件を飲んだ。
でも、こいつは俺をどうしたいんか分からん。多分俺のこと好きなんやろうけど、あんだけ狂ったことしてた割には何もしてこん。なんなら、ご飯も作ってくれるし洗濯も掃除も率先して俺の分もやってくれる。
少しだけやけど、こいつと過ごすのが楽しいとか思うようになってった。

あんだけ怖くて、あんだけしんどい思いをさせてきたやつにこんなこと思うのはおかしい。そんなことはよくわかっとるんやけど。


実はこじらせすぎただけであんまり悪いやつやないんやないか、とか考えるようになってきた。


まだ怖いけど、信頼関係は少しずつ生まれてきてるかもしれへん、と悟った。

まぁ、慣れなんかもな。慣れって怖いわ。



永見「浜田?どうしたん?」
浜田「いや、別に」
永見「今日何が食べたい?」
浜田「……カレー」
永見「じゃあ材料買って帰ろう!」



なんやこれ、付き合いたてのカップルかよ笑



永見「浜田はさ」
浜田「ん?」
永見「まだ、僕のこと怖い?」
浜田「……まぁ」
永見「そうやんな、ごめん。ずっとずっと謝らなあかんって思ってたんやけど、なかなか言い出せんくて。あんな思いしたら、怖いやんな、誰だって。」
浜田「……分かってくれたらええんやけど。」
永見「うん……浜田のとこ行った時に思った。これからはもっとしっかりして浜田のこと守らなあかんなって。」
浜田「……?守る?」
永見「うん、だから僕とこれからも一緒にいてくれる?すごく、反省してるから……」
浜田「……?ま、まぁコンビやし。周りに変に疑われるんも嫌やし。」
永見「ありがとう」




もしかして少し会話が噛み合ってへん?
守る?守るって何や……?俺のことストーカーしてたんやんな?あかん、ようわからん

けどまぁ、こいつなりに頑張ろうとしてくれるのはわかった。甘いなぁ、俺
カレー、楽しみやな。
そう、夕暮れの空に呟いた。








永見「……これからは、もっと頑張るな。」
浜田「……え、嘘、やろ?」
永見「どうしたん?」
浜田「……こないだのロケのとき、俺に結構キツい口調で注意してきたディレクターさんおったやん?」
永見「あぁ……おったね、」
浜田「……意識不明の重体やて。滅多刺し。」
永見「うわぁ……恨み買うことでもしたんやない?浜田にあんだけ言う人やったし。」
浜田「……そうやとしても、可哀想に。家庭もあったやろうに。」
永見「ふーん、浜田って優しいね。」
浜田「いや、さすがに知り合いの人がこんなことなってたら……誰だってショックやろ、」
浜田「……えっ、」
永見「今度はどうしたん?」
浜田「う、嘘や……嘘や嘘や……」
浜田「その近くに、泡吹いて女性が倒れてたって……重体で、そ、そのひと」
浜田「……俺のファンの人やわ……」
永見「へぇ……」
浜田「めちゃくちゃ応援してくれてて、ほんまええ子で……俺、俺……」
永見「まぁでも、浜田には僕がいるやん。」
浜田「そういうことちゃうねん!大切なファンの子が……子が……」
永見「浜田、聞いて?」
浜田「ぁぁ……あぁぁぁ」
永見「その子は、きっと浜田に良くない影響を与える子やったんやって。」
浜田「……は?」
永見「やから、そんなことになったんやって。気にせんとこ?な?」
浜田「なにいうてんの……?」



何コイツ、俺の大切なファンの子が亡くなって……なんでこんなヘラヘラしてられるんや、?
コイツ、ほんまに頭おかしいんちゃうんか、
永見「……浜田。」
浜田「来んなや!怖い……まさかお前、なんか知ってるんか?」
永見「ん?」
浜田「何で、なんでそんな平然としてられんねん……」
永見「はぁ、簡単なことやん。ゴミ処理しただけやで。」


コイツ……ゴミ処理って……なんのことや?



浜田「ご、ゴミ処理ってまさか……」
永見「浜田の周りには、ほっとけばいつもゴミが溢れるやろ?……僕も結構頑張ってるんやからさ……」



気を許した、俺が馬鹿やった。
少しでも信頼関係を作ろうとした俺が馬鹿やった。
コイツ、何があっても罪悪感感じひんのや。

人を、ゴミとしか思ってへんのやから。
自分は悪くないと思い込んでるんや。



浜田「お前……」
永見「浜田。僕、頑張ってるやろ?偉いやろ?」
永見「これからはもっと頑張るって、浜田と約束したからさ、ちょっと頑張っちゃった笑」
永見「他にもゴミがあったら僕がすぐに処理してあげるから。浜田の周りは常に綺麗であって欲しいし」
浜田「……」



言葉が何も出てこん。



永見「大好きやで……浜田」


そう言うと、永見は俺に向かって、見たことないくらい冷たくて、欲情した目線を向けてきた。



永見「なぁ……僕もちょっと疲れたんや。ご褒美ちょうだい。」



そう言うと、俺の意見も聞かないうちに、押し倒してきた。
白いワイシャツのボタンを丁寧に外す。そして、俺の首筋に吸い付いてきた。



浜田「ちょ、やめっ、きもち、わるいっ」



恐怖に取り込まれる中、抵抗するのに必死な俺



永見「そんなこと言いながらさ、実は感じてるんやろ?素直になったらいいのに、」
永見「ほら、こことかもうグチュグチュ……」



コイツ、なんでこんなに俺の良いとこばっか知っとんねん……!?

ま、さか、そういうのも見られてた、??



殺人鬼を目の前にして、なんで俺感じてるねん……おかしい!おかしい!

恐怖の化身を前にして、冷静でおられへん。



浜田「ぅ……あぁ……」
永見「全部忘れて、僕だけを見てや。」
永見「ずっと、僕はずっと、お前ばっかり見てきたんやから。」
浜田「やめっ、て、やめろやっ、いやっ、殺人鬼がっ」
永見「嫌がったところで、僕はそそられるだけなんやけどなぁ〜」
永見「…そうや、僕のこと見てくれへんのやったら、いっその事浜田の周りのゴミみんな消そうか?」
永見「そうすれば…もう、浜田の周りには、僕しかおらんくなるやん?」
浜田「や、やめっ、やめてくれっ」
永見「じゃあ……どうすればいいか分かってるやんな?」



俺に覆い被さる永見の目は、怖かった。
これは、本気でヤバい目や。何もかも思い通りにことを運ばせてるコイツが憎い。

ただひたすら、俺はもがいて助けを求めた。



冷たい手が、俺の身体をゆっくりと汚していく。
その手つきはまるで腫れ物でも扱うかのような繊細な動き。そうかと思えば、荒々しい獣のような動きもする。



永見「浜田、ここがいいんやんな?ここ、気持ちいんやんな?」
浜田「いやっ、はぁっ、うっ」
永見「強がらなくていいよ、僕が全部受け入れてあげるから。お前のこと、理解できるのは僕だけ。ふさわしいのは僕だけ。僕以外、いらんねんっ」
浜田「う、ぁッ……」
永見「何?そろそろイきそう?殺人鬼のモノでイく屈辱ってどんな感じなんだろうね笑」
浜田「やっ、嫌っ、まって、むりっ」







……もう、何も考えたくない。
……疲れた。もう、楽になりたい。



コイツの、執着心は、舐めたらあかんかった。
油断したらあかんかったんや。



俺にはどうすることも出来へん。
俺、どうすればええんや……






もう、俺に選択肢は一つしか残ってなかった。
ー数ヶ月後ー



永見「おはよう、今日はよく寝れた?」
浜田「おん、お前の隣やとやっぱ落ち着くわ。」
永見「嬉しいこと言ってくれるなぁ、照れるな…」
浜田「笑笑、永見と付き合えて俺、幸せやわ。」
永見「ん、僕もやで、大好き。浜田。」



こうせな……あかんのや。
こうしたら、みんな、みんなみんな、幸せな人生送れるから。
俺が、我慢すればいいだけなんや。



──永見のこと、好きなフリさえしとけば。



俺がしんどなるより、よっぽど周りがしんどなる方が辛い。俺だけが、我慢すればいい。



永見「大好きやで。」
浜田「俺も。」



今日もまた、誰かを守る嘘をつく。











永見「ふは、バレてないって思ってるんかなぁ笑、ほーんと、可愛いなぁ…笑」
永見「ずっとずっと、離さへんで…?」

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