僕には小さい頃に好きだった子がいた
名前はあなた
あなたが泣いてたから、
助けて?あげてから仲良くなった
だけど、ずっと一緒には居られなくて、
お母さんとお父さんが離婚しちゃって、
僕はお母さんの方について行ったんだ
お母さんの実家はここからだいぶ遠い所
あなたにバイバイって言わずに行っちゃった
あの日から何年か経って、僕は受験生になった
またあなたのいる所に行きたかったから、
迷わず今僕が通っている高校を選んだ
もちろん一人暮らしをしなくちゃいけなかった
お母さんには反対されて、しばらく監禁されてた
受験は受かったけど、しばらく行けなかった
だけど、僕はお母さんから逃げてきた
そして、転入生として高校に入った
ナム先生が言っていたクラスメイトの中にあなたは居た
だけど、僕が教室に入った時、
あなたは僕に見向きもしなかった
あなた、僕のこと忘れちゃったのかな?
で、運良くあなたの隣の席になったから
あなたに話しかけてみた。
「ねぇ、あなたちゃんと僕って
どっかで会ったことない?」
そしたら、あなたは誰だろって顔してた
だけど、ユンギとか言う人が僕のこと覚えてたみたい
あなたは塩になっちゃって、全然素直じゃなくなった
僕がいなくなったのが悪いのかな?
「家の事情で」だなんて今更言い訳出来ないし
またあなたと仲良くなればいいか!
そう思ってたけど、
僕のことが好きな人があなたのことを虐めていた。
あなたはそういうことに慣れてたみたい
だけど、彼氏に振られた時は妙に素直だった
今度は僕があなたの彼氏になってあげる
あなたのこと泣かせない
そう思ってずっと慰めていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!