第3話

3話
887
2020/05/20 13:37
視点なし
貴方
私は──
あなたは話し出した。

鬼になった時のことを。





私は、葉柱だった。

柱の任務は簡単ではなかった。

でも、それでも、楽しかった。

私が柱になって数年経ったころ。

一人の男が私に話しかけてきた。

名を「宙斗そらと

私は昔色々会ったせいで、男の人と話すのが嫌いだった。

私に近寄ってくる男はみんな下心の色をしていた。

でも、その人は、そんな色してなくて。

本当の私を愛してくれた。

だから、この人となら幸せになれると思った。

だから、宙斗さんと結婚した。
宙斗さんは苗字がなかった。だから、婿入りしてもらった。


宙斗さんは鬼殺隊のことを理解しており、私が戦っていたいなら子はつくらないと言ってくれた。

でも、私は宙斗さんとの子が欲しかった。

私は、汚かった。宙斗さんとが初めてじゃなかったし。

何度も何度も、汚された。でも、それでも、宙斗さんは、

「上書きだな。」って笑ってくれて。

子をつくった。でも、生まれてこなかった。流産してしまった。

宙斗さんは責めなかった。

「しょうがない。またつくろう。」
って。
いつも優しく笑ってくれる宙斗さんが大好きだった。

でも、そんな日も長くは続かなくて。

ある日、任務から帰ると屋敷の前に一人の男、いやがいた。

その鬼は私を見るなり、

「噂は本当だったか。」
と話しかけてきた。
その男は鬼舞辻無惨・・・・・と名乗った。
腸が煮えくり返る程の怒りを感じた。

何千、何万の人を殺し、鬼にしていると言うのに。何故そんなにのうのうと生きていられるのか。
鬼舞辻を殺そうと型を構えるが、鬼舞辻の手によって阻止された。

俵担ぎにされた。刀を奪われ、為す術もない私は大人しく鬼舞辻に捕まっていた。

私を連れ帰るのか、そう思った次の瞬間。扉が開いた。
宙斗さんだった。
「どうしたん……だ………?」
って戸惑いながら聞いてくれた。
宙斗さん!と、私は助けを求めた。

後から冷静になってから思ったけど、宙斗さんは扇子を作る、ただの一般人だった。だから、刀なんか持ってるはず無かったのに。

それが運の尽きだった。鬼舞辻は宙斗さんを殺した。
へ………と、間抜けな声が出た。

だって、目の前で最愛の人を亡くすとは思ってなかったから。



宙斗さんは、生きも絶え絶えになりながら、
「ずっと…………あい……し…てる……」
と言って亡くなった。笑っていた。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

私はまた、亡くさないといけないのか。

苦しくて、悔しくて、胸が張り裂けそうだった。
でも、鬼舞辻はそれを許してくれないみたいで。

首に手刀が入れられて、気づいたら無限城にいて、鬼になってた。

こんなに屈辱なことなんてなかった。

私は、不幸中の幸い。人の血肉を食べなかった。だから、鬼舞辻達の情報を掴んだら、鬼殺隊へ戻ろうと思っていた。

でも、何度も死にたいと思った。

生きているのが辛かった。

鬼殺隊へ帰るため、信用をさせようと媚びて、抱かれている時は気持ちよくもないのに、鳴いて。

もう、死にたいと思っていた。

そんな日が6年続いた。

それでも6年間頑張ってこれたのは宙斗さんと耀哉の存在だった。

宙斗さんはきっと私が来ることを望んでいない。

耀哉も。私のことをきっと探している。
会うまでは、死ねない。そう思って6年間生きていた。

2年前に無限城を出た。

呪いは外していたから、場所を特定されることも無い。

フラフラさまよっていた時に珠代に会った。

愈史郎も最初は怖かったけど、いい子だった。

数少ない。信用出来る男のだった。


そして、暫く本部を探していた時に運良く見つけて、柱合会議にお邪魔した。
貴方
という訳なの。
あなたは炭治郎に教えた。
もちろん抱かれたとこなどは言わなかったが、
炭治郎
そうだったんですね…………
貴方
竈門さんも。
信用出来る男の人ですよ。
炭治郎
ほんとですか!?
貴方
ええ。ありがとう。
私、辛かった。
誰かに話を聞いてもらいたかった。
貴方
ありがとう。
炭治郎
いえ!俺に出来ることならなんだってやります!
貴方
優しいのね。
炭治郎
そんな!俺は全然!
鴉「産屋敷邸デ御館様ガオ待チダァ」

「あなた!あなた!ムカエ!」
貴方
あら、呼ばれちゃったわ。
行ってくるね。
炭治郎
はい!気をつけて!
______________________________
イメ画です!
葉っぱの耳飾りをつけてます!
口元は扇子を当てているので基本見えません!

プリ小説オーディオドラマ