第3話
出会い
「ねぇねぇ、名前なんていうの?」
入学式が終わり、席で本を読んでいたら美帆が私に話しかけてきた。
美帆の見た目はいかにもギャル。
巻かれた髪に派手な金髪。
耳の下で大きく揺れるイヤリングに周りの人よりも赤い唇。
その見た目はクラスメイトの目を引いていて、一気に私も注目された。
生憎、ごく普通の家庭に生まれてきた私は髪は黒でハーフアップ、化粧などもちろん、アクセサリーもつけていない。
『あなた、東条 あなたです。』
「おっけー!あなたね、よろしく!」
『は、はい!こちらこそ。』
なぜ、呼び捨てで呼ばれ、よろしくと言われたのか分からないがとりあえず返事をしておく。
(……どうせ、すぐにもっと気の合う子を見つけるでしょ。)