第10話

久しいのう!
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2021/02/01 11:46
時間はあっという間に、深夜。

お化け達も、学校内に遊びに行ったりと
唯一と言って良いほど静かな時間。

きっと、そろそろ“あの子“が来る頃だろうか?
『前回と同じならば』
リリア
リリア
コンコン
ほらね、来た。

口にタバコを咥えて火をつけた所だ…
もう少し、ゆっくりでもよかったけれど
主人公
主人公
いらっしゃい
リリア
リリア
久しいのう!
リリア
リリア
おぉ!!制服姿か!
似合っておるではないか!
明日から同じ学友じゃな!
主人公
主人公
そうだね〜気が重いけれど
リリア
リリア
しかし、学生がタバコとは…
あまり関心はせぬぞ?
主人公
主人公
窓から人の部屋に入ってくるのが
常識になってしまっている君には、言われたくないかな?
主人公
主人公
まだ、掃除は終わってないけれど
入ってきたら?
リリア
リリア
うむ、では邪魔するぞ!
リリア
リリア
しかし、こうしてまた
お主と再会できたのは嬉しいことよ
主人公
主人公
会うたびに、それ言わないと
気が済まなくなってないかい?
リリア
リリア
本心よ!あなた!
リリア
リリア
しかし、いつ再会しても
あなた、お主の姿は変わらぬな
主人公
主人公
リリアに言われたくはないけど
こればっかりは、仕方がない。
主人公
主人公
所で、一つ聞きたいことがあったんだ
リリア
リリア
どうした?ワシで答えられる
ことならば、任せておけ!
主人公
主人公
入学式から「数日が経っている」
と聞いたんだけれど
実際には、どれだけ経っているの?
リリア
リリア
なんじゃ、そんなことか
そうじゃな…4日?という所か…
主人公
主人公
ハッキリしないねぇ
大事なことなんだけれど?
リリア
リリア
人とワシらの時間の感覚は違うんじゃ!
そう言うてくれるな…
主人公
主人公
どうせ、ゲームのやり込みばかりで
ほとんど覚えてないんだろ?
リリア
リリア
ぐっ…!!
お、お主が来るとわかっておれば
ワシとて準備しておいた!
主人公
主人公
私だって来たくて
今、此処にいるんじゃない…
まぁいいや…
主人公
主人公
じゃぁこの、4日で
学校に変化はあった?
リリア
リリア
…そうじゃな…どうじゃったか…
主人公
主人公
変わりないのであれば、いいんだ
知っておきたいだけだし
…リリアに聞いてるって事も自覚してるし
リリア
リリア
むっ!なんじゃ!
まるでワシが役立たずのように言いおって!
あなたにとっては、まだまだ赤子のままか…
彼は、リリア。

人ではなく妖精族…

だから人間と時間感覚がまるで違う。
私を覚えている数少ない存在であることは確か…
と言ってもリリアが私のことを覚えているのは

“この学園の外“で、生きていた時の事。

ツイステットワンダーランド内での話ではあるが

時代はあまりにも違う。

そもそも、その当時は、この学園が
存在していたのかさえ分からないが…

とにかく、リリアは私にとって
そして同時に彼にとっても…

“深い絆“

が存在し、認識し合っている。

私にとって、唯一「手助け」を頼める存在であり
『本当の話』が出来る相手でもある。

まぁ、この学校にいる限り
彼もまた『忘れてしまう』1人になってしまったわけだが…

それでも…特別なことに変わりはない。
主人公
主人公
そう言えば、監督生?と呼ばれていた
ユウ君…彼のこと、リリアはどう見ている?
リリア
リリア
おぉ!あの人の子か!
まだ、ハッキリとした事は言えぬ
だが…
主人公
主人公
リリア
リリア
そうじゃな…クロウリーは
聞いたことのない場所から来ている
と言うておった。
リリア
リリア
それ故に帰らせることも叶わぬらしい。
最初は雑用係として、滞在しておったがな
主人公
主人公
聞いたことのない場所…
リリア
リリア
不可思議な子ではあるのやもしれぬ
主人公
主人公
彼はどうやって、この学校へ?
リリア
リリア
入学式にはおった。
あのモンスターもな…
主人公
主人公
正式入学なのにも関わらず
魔法も使えず、しかも、異世界から来た…か…
主人公
主人公
不可思議で済むことかい?
リリア
リリア
そう言われれば、そうじゃな…
主人公
主人公
ふむ…で、グリムの方は?
リリア
リリア
あのモンスターは入学式に
侵入してきてな!暴れおったw
なかなか愉快な光景じゃったぞ?
主人公
主人公
面白がっている場合か
主人公
主人公
グリムは入学したわけではないのか
リリア
リリア
しかし、今は学生として
ちゃっかり生徒をしておるようじゃぞ?
主人公
主人公
と、言うと?
リリア
リリア
モンスターは魔法が使えるが
人の子は魔法が使えぬからな…
リリア
リリア
モンスターを監督する生徒、つまり
セットで1人の生徒として
入学を許可された、と言うことじゃな
主人公
主人公
あのカラスは、また…
主人公
主人公
だが、流れはわかった。
リリア
リリア
クロウリーにも考えがあるのじゃろうて?
主人公
主人公
本当にそう思う?
リリア
リリア
主人公
主人公
まぁいい、そのうち何かわかるだろう?
見たところは悪い子達でもなさそうだし
リリア
リリア
あまり、無理をするでないぞ?
主人公
主人公
リリアは心配性だ
リリア
リリア
無茶をする癖があるから言うておる
主人公
主人公
手っ取り早い方法をとっているだけ
リリア
リリア
それが早死にする原因じゃぞ?
主人公
主人公
私は、出来れば
何もしたくないタイプなんでね
リリア
リリア
ワシもあなたには
何もしてほしくはない…
主人公
主人公
その願いを叶えられないのが
私の…お互いのか?
悩みの種だね、リリア…
リリア
リリア
そうじゃな…
うむ…本当にそうじゃ
主人公
主人公
まぁ、来たからには
覚悟を決めるしかないんだし?
そう暗い顔しなさんな…
主人公
主人公
しばらくの学生を楽しもうか?
リリア
リリア
…あいわかった…
リリア
リリア
せっかく共に過ごせる時間。
有意義なものにしようではないか!
主人公
主人公
そそ、切り替えてかないとねぇ〜
やってらないさ
主人公
主人公
ついでに言うと、私のクラスは
セベクと同じだからね?
リリア
リリア
おぉ!そうか!
(セベクの事を知っておったか)
主人公
主人公
ちゃんと、しつけとけよ(圧)
リリア
リリア
おっ…おぉ!!
わ、わかっておるわ!
主人公
主人公
マレウスにお熱なのはいいが
あの熱狂さをこちらにだけは向けてくれるな
リリア
リリア
よく言い聞かせておかねばな…
(ワシらが、仕置きされるのは勘弁じゃ)
主人公
主人公
ふっ…楽しみにしておくよ?w
主人公
主人公
躾が出来ないようなら
私が直接、やっちゃっても良いんだが
リリア
リリア
それは、やめてやってくれ
セベクがもたぬ…
リリア
リリア
ワシとて、お主の説教は
トラウマレベルなのだ…
リリア
リリア
因みにマレウスはお主の名前を
聞いて、部屋に引きこもってしもうたぞ?w
主人公
主人公
…まぁ、あの子はまだまだ幼い
リリア
リリア
本人には聞かせられぬな
主人公
主人公
リリア?君もだが?
リリア
リリア
…傷口に塩を塗るのが好きよのう…
久しぶりに会うはずのリリアとの話は
とても軽快で、離れていた時間が嘘のようにも感じる。

なんだかんだ、こうやって…
触れ合いの中で得る温もりには逆らえないのだと
改めて思う。
それが『苦しみの全て』だとわかっていたとしても

カビくさいベットで丸くなって眠ってしまった。
リリアを見ながら、明日からの日を思う…

懐かしい顔ぶれとすれ違っては
「なんだコイツは」「馴れ馴れしい」「呼び捨てにするな」
と、顔や態度、もしくはそのままの言葉で
表現されてしまうのだろう…

胸を握りつぶされる感覚を

とりつくろって

とりつくろって…

また「初めまして」から始まる。

自分のモノのように、呼びかけてくれていた
“あの時“の“彼ら“は、もういない

ただ、同じ顔をして
同じ悩みで壊れそうになりながら
必死に両足で踏ん張っているだけの…

パペット…

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