第9話

魔法
179
2021/02/01 11:45
オンボロ寮の2階にある一番奥の部屋
そこが私の、お気に入りだ。

ここから見える景色が、単純に好きだから…

変わらないものは、いつだって胸を締め付けるけれど
唯一「景色の美しさ」だけは変わらず愛おしい。
主人公
主人公
さてと…まずは片付けから行きますか
体の中にある魔力に集中する

全身を走り回るエネルギーは
答えるように、内側から外へと漏れ始める。

『この世界』の魔法は『イメージ』によって操れる。

想像力は、どの世界だろうと力の源
想像力だけが、人を進化させ時代を動かし、変化を作るもの

部屋の中で踊っている埃の一切をかき集めて
一つの毛玉にする『イメージ』。

それが出来たら、傷んでボロボロの床や壁を
強く鍛え上げて、強度を上げていく『イメージ』。

壊れた家具は、元の姿に戻るよう『イメージ』する。

カビや汚れを浮かび上がらせて
集めた埃と一緒にブラックホール
に吸い込まれていく『イメージ』。

割れた窓も
ひびの入った壁も
底の抜けた床も

新しいパーツを『イメージ』して
くっつけてあげれば綺麗になる。

ボロボロの部屋は
みるみるうちに、片付けられて
あっと言う間に、しっかりとした一つの部屋になる。

十分に人が住める程度にまでは修復出来た。
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
ほぉ、なかなかやるもんだね
主人公
主人公
おぉ…見てたのか
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
新人へのイタズラをしてやろうと
思って、着いてきたけど…お前スゲェな
主人公
主人公
久しぶりだから集中して
皆んなが居る事に気づかなかった
主人公
主人公
…鈍っているかもね
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
ワシらはオバケじゃからなぁ〜
気づかないほうが当然じゃてwwww
主人公
主人公
それもそれか
主人公
主人公
ところで、もう1人は?
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
グリム達とおるぞ
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
ところでお前はなんて名前だ?
主人公
主人公
あなただよ
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
そうか!あなた!
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
これから、よろしく頼むぞ!
主人公
主人公
はは!こっちこそ!!
部屋も綺麗になったし
お化け達とも、ご機嫌な挨拶が出来た

スタートは、まぁ上々なんじゃないかな?
グリム
グリム
おーい!!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
学園長先生来られましたぁー!
主人公
主人公
もう来たのか
オンボロ寮のおばけ
オンボロ寮のおばけ
ほれほれ、下に降りて行こうぞ
主人公
主人公
そだね、行こうか
お化け達に先導されて
階段を降りる。

談話室から話声が聞こえ
2人のお化けと向かう。
クロウリー
クロウリー
お待たせしました!!
ひとまず、必要なものは持って来ましたよ!
私、優しいので!!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
運ぶの手伝います!
グリム
グリム
ツナ缶と交換でオイラも
手伝ってやっても良いんだぞ?
主人公
主人公
ツナ缶w安いねw
了解した
クロウリー
クロウリー
では、持ってきたものは
お二人にお任せします。
クロウリー
クロウリー
制服はこちらに、なります!
一度着てみて、サイズなどの調整を
行ってみてくださいね!
主人公
主人公
あぁ、ありがとう先生
クロウリー
クロウリー
早速、着てみますか?
主人公
主人公
そうですね、この服も動きにくいし
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
(おぉ!!顔が見れる?)
この世界で一番便利な、低級魔法は
「着替え」かもしれない

それなりの魔力制御が出来るものなら
誰でもが使える。

魔法の使い方は、人それぞれだが…
杖を使ったりが安定しやすいらしい

私の場合は、手を叩く、足を鳴らすなど
特に簡単な魔法は指を鳴らせば
魔法が発動するように『イメージ』を
繋げている。
そうして、自分の中で『イメージ』を繋げておくと
魔法発動の時短にもなり、同時に
音で具体的な『イメージ』をしやすくなるから。
クロウリー
クロウリー
おぉ!サイズは良さそうですね!
…しかし…制服のアレンジはほどほどに…
主人公
主人公
これ以上のアレンジはしないよ
クロウリー
クロウリー
まぁ、良いでしょう。
私、優しいので!!!!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
…魔法って…え?ズッッルッ…
主人公
主人公
仕方ないっすな
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
ぐっ…
グリム
グリム
一瞬で着替えたんだゾ
クロウリー
クロウリー
まぁ、明日からの学校生活は
これで、問題はないでしょう?
主人公
主人公
そうですね、あざまぁす
グリム
グリム
にしても…お前ぇ
そんな顔してたんだゾ?
思ってたより、ひょろっちぃな!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
た、確かに…
強大な魔法を持っている人だから
もっとムキムキなのかと思いました。
主人公
主人公
強い=ムキムキなのか?
浅いねぇ〜…浅いよぉ〜?
クロウリー
クロウリー
まぁ、肉体と魔力量は別ですからね
主人公
主人公
経験上で言えば、ヒョロっぽい奴ほど
癖も肉体も強かったりするよ?
もちろん、魔法もね。
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
え?そうなんですか?
グリム
グリム
まぁ、オイラもムキムキではないけど
スゲー強いし?
言ってることは当たってるんだゾ!
主人公
主人公
グリムは癖のほうが強めに出ているかな?
グリム
グリム
何ぃ!?
クロウリー
クロウリー
まぁまぁ、実際その通りですからね!
それよりも早く片付けをして
明日からちゃんと登校出来る様に
しておいて下さいよ?
主人公
主人公
本番は、明日からか…
クロウリー
クロウリー
その通りです!
私はこの辺で失礼させていただきますが
くれぐれも!!初日から遅刻など無いように!
主人公
主人公
わかってますよ、心配ご無用
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
僕らも片付け手伝います!
掃除は得意なので!
グリム
グリム
オイラは嫌なんだゾ
主人公
主人公
ツナ缶いらなくなったの?
グリム
グリム
ツナ缶はいるんだぞ!!
仕方ねぇなぁ…
クロウリー
クロウリー
早速、仲良くなったようで!
本当に何よりです!!!
では、おやすみなさい、皆さん
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
学園長先生って結構、自由ですよね
主人公
主人公
強い人は=で癖が強いって
覚えておくと良いよ
多分、役には立たないけども
グリム
グリム
それ、お前も入ってんじゃねーのか?
主人公
主人公
全肯定します!!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
確かに癖が強いかもしれない…
主人公
主人公
さ、明日の準備しますかぁ
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
そ、そうですね!
ユウとグリムに手伝ってもらって
大量の教科書などを部屋へと運んでいく。

お化け達は、その周りで
何やら賑やかにして時々、グリムが文句を言ってたり…

部屋にたどり着いた2人?は
目を丸くしていたけれど、それを他所に
もらったモノを片付けられる場所に収めていく

そのうち、本棚を作ろう!!

ある程度のモノを片付いた所で
グリムの空腹が限界にきた
私には、関係ないので、食堂へ向かう2人?を
見送って、1人になり部屋が広くなった感覚に浸る

ベットのシーツは古いままだ…
これは新しくしておく必要がありそう
寝ないとはいえ、横になったりする場合もあるだろう
ま、主に寝たフリのために、になるんだろうけど

今すぐしてしまっても、いいんだけど
急に変え過ぎるのは良くなさそうだ…
こういう時、やっぱり1人が気楽で良いなと思う。

夜になると“あの子“が来るだろうから
窓が開けられるようにだけは、調整しておこう。

後は、時間に身を任せるだけかな?

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