第34話

わからないけど
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2020/08/09 05:51
天馬「あなたはどう思う…?」


『ふぇ?』


急に天馬に声をかけられた為 気の抜けた声をだしてしまった

天馬は皆に声をかけているみたいだ



『…わからない。フィフスセクターを倒すって言ったって…そんなことできるの?まぁ、自由なサッカーは楽しいだろうけど…』


天馬「そうだよね…あなたありがとう」



自由なサッカーは楽しいだろう


けれど、サッカーの強さで学校の価値が決まってしまう今の世の中でフィフスセクターの存在は大切だとも思う


私と天馬が話していると信介がやって来た



信介「天馬 僕はフィフスセクターと戦うから。今から河川敷で練習しよう!」

天馬「信介…。うん!」



2人とも正気…!?

まぁ、別に良いけど…



天馬「あなたも行こう!サッカー教えてよ!」


信介「あなたに教えて貰えたら上達しそう〜」


『え、私も?』


天馬「うん!もちろん!あ…あなたは反対…?」


『い、良いけど…』


信介「よし!じゃあ早く河川敷に行こう!」



私と天馬、信介と今 加わった葵ちゃんは河川敷へと向かった



天馬「そよかぜステップ!」


信介「いいなー そよかぜステップ。僕も2人みたいなすごい必殺技が欲しいなぁ。」



天馬が必殺技の練習をしていると、信介が羨ましそうな表情を浮かべた



葵「そうだね 次は信介の番だよね。それじゃ3人とも 今日はそろそろ終わりにしましょう。」



葵ちゃんがそう言うと信介と葵ちゃんは歩いていったが、天馬は立ち止まったままでいた



『…天馬?どうしたの?』


天馬「剣城?」



天馬の目線の先には剣城くんがいた

天馬は剣城くんの方に走っていき、剣城くんと話を始めた


私は走ること無く2人の方へと向かう



剣城「俺に近づくな!お前 ムカつくんだよ!誰かを犠牲にしてまでサッカーがしたいのか!他人のせいでサッカーができなくなる苦しみを知ってんのか!」



私が2人の近くへ行くと剣城くんがものすごい剣幕で話していた所だった



天馬「…本当のサッカーがしたいって そんなにいけないことなのか…?」


剣城「うるさい…!!」


天馬「剣城 じゃあお前はどうしてサッカーやってるんだよ!」


剣城くんは何も答えずに歩いていってしまった



『天馬…大丈夫?』


天馬「あなた…。ねぇ、本当のサッカーをしたいって思ったらいけないのかな…?」



『そんな事ないとは思う、けど……』


天馬「けど…?」


『本当のサッカーができない人も少なからずいるんだよね…』


天馬「そっか……」



私達が無言で立っていると信介と葵ちゃんがやってきた



葵「天馬 どうかした?」


天馬「え?ううん……」


葵「そう…。ねぇ、3人とも 途中まで一緒に帰ろう。なんか 落ち着かなくってさぁ。」


信介「僕も。…監督が言っていたフィフスセクターと戦うかどうかって 皆どうするのかな。皆一緒に戦ってくれたら良いよね。それじゃあ帰ろう。」



私達は一緒に家へ帰った

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