第94話

No.90
902
2020/06/16 14:01
元木side





元木湧
元木湧
海外に行くことになった。












平塚翔馬
平塚翔馬
どうして?


少し沈黙が続いて、1番に口を開いたのは平塚だった。




元木湧
元木湧
今日、親にそう言われたんだ。
元木湧
元木湧
今まで家族の時間を、大切に出来なかったからって。
黒田光輝
黒田光輝
どれくらいの期間?
元木湧
元木湧
1年くらい。
黒田光輝
黒田光輝
…………そっか。


1年となるとあなたも手術が終わって、



高校も2年に進級している。




安嶋秀生
安嶋秀生
もうそれは決まった事なの?
元木湧
元木湧
うん。
安嶋秀生
安嶋秀生
湧もそうしたいの?
元木湧
元木湧
……うん


俺は返事に迷った。




だって、俺は自分の両親よりも、




絶対にみんなと1年暮らす方が楽しいだろうし、




そーたやみんなと1年会えないのは寂しいから。





それに、俺は親があまり好きではない。




仕事優先で、俺たちの事なんて、全く考えてくれないからね。





安嶋秀生
安嶋秀生
そうなんだね。







また、沈黙が続いた。





そして、口を開いたのは、





内村颯太
内村颯太
俺は行かないで欲しい。


俺の記憶なんでほとんどない




そーただった。





それに、言った内容も驚いた。




元木湧
元木湧
なんで?
内村颯太
内村颯太
じゃあ、湧はさ、俺らに一生会えないのと、俺らと一生一緒にいるの
内村颯太
内村颯太
どっちがいいの?
元木湧
元木湧
それは、、
内村颯太
内村颯太
それに湧は親の意見にそのまま従うの?
内村颯太
内村颯太
俺はまだ、湧との記憶全然思い出せないけど、
内村颯太
内村颯太
俺は、湧と一緒にいたいって、この短時間でも思えたよ?


そんなの、お前らと一緒にいる方がずっといいに決まってるじゃん。




でも、この言葉か1ミリも出せない。









俺は、どうしたらいいの?






そう考えていると、





誰かに手を引っ張られた。




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