第39話

押し付け
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2021/01/13 06:42




しかし、現実は否応なく現実だ。





私は重いため息をついて職場へ行った。







楓はそんな私を見て、




西野楓
大丈夫?なんか疲れてない?
西野楓
仕事いくつか代わろうか?



と言ってくれた。






気遣ってくれているのが痛いほど感じられて、
思わず、
白山あなた
じゃあ、時間がある時にお願い
してもいいかな?

と言ってしまった。




楓は嫌な顔ひとつせず、


西野楓
もちろん!ちゃんと休憩とってね〜





なんて優しい子なんだろう。








不意に涙が零れそうになって
慌てて瞬きをした。







情緒不安定になってるよ、私。






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谷森由美
じゃあ、白山さん、これとこれとこれ、
お願いしていいかしら?
白山あなた
分かりました。



いや多いわ。



いくら今が忙しい時期とはいえ、


いっぺんに3つも仕事こなせるかっての!



ここはあの救世主の出番のようですな。


白山あなた
楓〜?
ちょっとここだけ頼んでもいいかな?
西野楓
もちろんいいよ!




私が楓に資料を手渡そうとした時……



谷森由美
ちょっと、白山さん??
谷森由美
私は、あなたにこの仕事を
お願いしたんですけど。
谷森由美
なんで西野さんに押し付けてるの??
西野楓
いや、押し付けてるわけじゃ…
谷森由美
西野さん、ごめんなさいね、仕事に戻ってて
いいわよ。


圧が……



これはやばいやつかも。




西野楓
あ、はい、すみません……


楓が申し訳なさそうな顔でこちらを見た。




これは為す術がないからしょうがないよ。




そんな気持ちを込めて軽く頷く。



谷森由美
で?何で押し付けようとしたの?
谷森由美
私はきちんとそれぞれの配分を考えて
振り分けたはずなんだけど。
白山あなた
すみませんでした……
谷森由美
いや、何で?って聞いてるの。
白山あなた
いや、あの…
白山あなた
自分だけが多いのかと思って不満を持って
しまいました…
谷森由美
あなただけが多いわけじゃないから。
みんな与えられた仕事は文句1つ言わずに
やってるの。
谷森由美
いくら仕事を終わらせるまでの時間が
人より長いとはいえ、量はちゃんと
こなしてもらわないと効率が下がるから。
白山あなた
……


これで何も言い返さなかった私、
偉いと思わないですか?←






谷森由美
あと、これは午前中までに
仕上げておいてね。
次が滞るから。
白山あなた
はい、分かりました…



こんな調子で叱られていると
だんだん職場全体の空気も悪くなってくるのを
肌で感じる。





私だって好きで怒られてるわけじゃないよ。





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西野楓
本当にごめんね、あなた。


帰り道、楓が改まって謝ってきた。




白山あなた
いや、あれはしょうがないよ。
タイミング悪かったし。
白山あなた
それよりも、仕事受け入れようとしてくれて
ありがとう。
西野楓
うん…
白山あなた
楓が怒られなくてよかったよ。
西野楓
うん、ほんとにごめんね。
私のせいで…
白山あなた
大丈夫だって〜


いい子だけど、あんまりしつこいのは
好きじゃないよ(*^^*)←




白山あなた
ん、じゃあね〜
西野楓
また明日〜


⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
Aoi
Aoi
どーも、Aoiです!
Aoi
Aoi
理不尽な人って嫌ですよね。
私も顧問が理不尽で嫌です←
Aoi
Aoi
久しぶりに背景白だわw
では、次回もお楽しみに〜!

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