1週間後
毎日少しづつではあるけれども、
段々疲労が溜まってきた。
相変わらず谷森はストイックで、どんどん仕事の
ハードルを上げてくる。
必死にこなそうと頑張るけど、段々
頑張りきれなくなってきている。
ダメだしに躊躇がないよなぁ、この人。
ため息が出そうになるのを堪えながら、
訂正に取り掛かろうとした、その時。
はぁ。
はっきりとした、ため息が聞こえて、
思わず自分が漏らしてしまったものかと疑った。
が、ため息の正体は谷森だった。
少し何かに失望したような顔を見せたあと、
彼女はいった。
え…………!?
質が、悪い?
隣にいた楓がすぐさま聞く。
谷森は、表情を崩さず話し始めた。
谷森が口にしたのはそこそこ有名な
ある出版社。
ちなみに、私も受けたが、落ちている()
そんな…………
じゃあ、
私たちは、落ちこぼれ?
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!