ピンポーン
あれから数時間後。
俺らに最後の時間を残してくれるわけもなく、
今一番聞きたくない音が部屋中に響いた。
" 早川です。あなたちゃんを迎えに来ました。"
実感、、、わかへんな、。
もう、お別れやねんな。
当分この家で過ごすのは7人になんねんな。
そんなん、、、
あかんぞ、俺。
こんなとこで泣いたらあかん。
あなたと他のメンバーも、必死に涙を堪えとる。
あかん、ぜったい、、、
ポンッ、
濵ちゃん ... 。
なんやねん、泣かせにこんとってや、。
そして、ドアを開ければ。
「あなたがあなたちゃんね?これから虹色施設ってところに行くからね、」
人見知りなあなたは、
神ちゃんの背中の裏に隠れてでてこーへん。
神ちゃんがしゃがみ込み、あなたの両手を握る。
俺ら、お互いの人生をお互いで変えてたんやな。
あなた、お前はほんまにすごい。
俺らが愛してやまない、自慢の娘や。
そして、扉が閉まった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。