ある日から、彼女の世界は変わりました。
いきなり絶望に落とされたんです。
なんの前振りもなく
ほんまに、突然と。
彼女ね、もう手術不可能な状態やったんです。
病名も難しくてね、俺も言えないんですけど。
そん時ね、俺、
この世界って不平等やなって思ったんです。
なんで、なんもしてへんこの子が
こんな苦しまなあかんのやろうって。
こんなにも良い子が
なんで余命半年なんやろうって。
.... 毎日グッタリとしているあの子をみて、
胸が苦しくなったし、怒りも込み上げてきた。
でもね、??
あの子、俺らにいったんですよ。
わたし、頑張るよって。
またパパたちと、笑って過ごせるようにって。
.... っ、ほんまっ、、反則っすよね、っ、。
俺、絶対こいつのこと手放したくないって思いましたもん。
... でもね、
素人である俺らから見ても
確実にあなたがもう長くないことなんか
分かったんですよ。
それである日、ICUに入れられて。
それでもね、あの子は家に帰りたいって言いました。
俺らと、一緒にいたかったんかなって。
あなたが、もう死と向き合ってたんです。
... まあ、その日にあなたは亡くなりましたけども。
、、、、いや、正確には、
" 昔のあなたが死んだ " ってなるんですかね。
あなたね、まだあなたの姿で
" 俺らの日常の中に、いるんですよ。"
... すごいでしょ??
ぜったい助からないってお医者さんも言ってたんですけど
あの子は今、生きてるんですよ。
... まあ、記憶もなにもかもがなくなって、
俺らのことも忘れちゃったんですけどね。
でも、今のあなたは生きてる。
昔のあなたは、なくなってしまったけど、
まだ、いなくなってしまったあなたにさよならが言えてないんで
この場をお借りして、言わせてください。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。