第154話

あ い つ が 選 ん だ 未 来 。
2,798
2021/05/13 10:08



ピッ ピッ ピッ







無機質な音が鳴り響くICU。


こんな部屋に重症人としてあなたがおるっていう事実をまだ受け止められへんかった。



藤 井
藤 井
あなた、、、はよ元気になってや、


サラサラな髪を優しく撫でる。




あの日の病室で見た時よりも、はるかに多いあなたに繋がれたチューブやら機械やらを見て痛々しくなる。



貴 方
ん、、、、、
藤 井
藤 井
っ、、あなたっ、、?
貴 方
っ、、、りゅ、、、せ、、
藤 井
藤 井
あなたっ、、!っ、よかったっ、、


ゆっくりと目を開けたあなた。


いや、正確にはゆっくりと半分だけ目を開けた。


藤 井
藤 井
もう大丈夫っ、、よお頑張ったな、、
貴 方
っ、、、


そうよな、しんどくて喋られへんよな。



大丈夫、無理せんでもええんやで。

あなたには、俺らがついとるから。


藤 井
藤 井
あなた、今からパパたちとテレビ電話繋ぐな。
藤 井
藤 井
起きたでーって、報告しよ?


そう言うと、ゆっくり頷いたあなた。



この状態を見たら嫌でもこの先のことを想像してしまう。

弱ったまま、俺らの前からいなくなってしまうんやろかって。






でも今は、あなたが起きてくれたことに喜ばな。










藤 井
藤 井
もしもーし、
重 岡
重 岡
" っ、あなた、!!!!"
濱 田
濱 田
" 良かったっ、、、"
桐 山
桐 山
" あなた、、、お疲れ、、"
貴 方
みっ、、、、んなっ、、



あなたが6人が映っとる画面に手を伸ばす。



それだけでも嬉しくて、
特に俺らは涙目やった。



中 間
中 間
" 、、あん時、起きれんくてごめんな、"
小 瀧
小 瀧
"、、相棒、持っててくれてありがとう、"
貴 方
ね、、、パパっ、、、


弱々しく声を発したあなた。


神 山
神 山
" ん??どうした??"
貴 方
っ、、、あのねっ、、
貴 方
わたし、、、家にっ、、かえり、、たいっ、
藤 井
藤 井
え、、、、



あなたが発した予想外のそのことば。



ICUにおるかぎり、なんらかの治療はせなあかん。

危険な状態なんやから。





でも、家に帰りたいというあなたは










治療を諦めてもうてるんや。



目の前にある死を、受け止めたんや。







小 瀧
小 瀧
" っ、あかんっ、!!そんなんしたらっ、"
重 岡
重 岡
" 、、、ええよ、帰ってき。"
神 山
神 山
"、、、しげ、?"
重 岡
重 岡
" 、、、あなたのお願いや。、、、今俺らができるのは、あなたの願いを叶えてあげることだけや。"
桐 山
桐 山
" ...っ、せやな、"



あなた、、、俺らは最後までお前の傍におる。






せやから、、、

その先の未来が残酷やとしても、

俺らはあなたのやりたいことを、やらしたる。












貴 方
、、、ごめんね、、、みん、、な、







たとえそれが、



君の最期の願いでも。



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