第132話

あ い つ を 信 じ て 。
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2020/08/20 12:57
小 瀧
小 瀧
っ、はぁ、

血を流して倒れるあなたを目の前に、

パニックになって涙がとまらへん。

小 瀧
小 瀧
あなた.....?
貴 方
........

こんな状況で

あなたの返事が返ってこないことは分かってる。




でも、心のどこかで信じてる俺がおるんや。













現実を受けとめ、認めてしまったら

たぶん俺、ぶっ倒れてしまうと思うから。









小 瀧
小 瀧
...っ、電話っ、、


はやく、はやく。

あなたを助けてあげたい。 











重 岡
重 岡
″ もしもし、小瀧? ″
小 瀧
小 瀧
っ、しげ、

なんでか分からへん。

でも、自分が頼るのはいつもこいつやった。

重 岡
重 岡
″ ...小瀧? ″
小 瀧
小 瀧
しげっ、たすけてっ、

泣きじゃくってる俺。

そのせいで呼吸が上手くできひんようになってきた。

重 岡
重 岡
″ 小瀧、大丈夫。大丈夫やから ″
重 岡
重 岡
″ ゆっくり呼吸しよ ″
小 瀧
小 瀧
うっ、うんっ、

しげは今傍に居ないけど

充分すぎるぐらいの温もりを感じる。
重 岡
重 岡
″ 小瀧、今どこにおる? ″
小 瀧
小 瀧
学校っ、あなたの学校っ、
重 岡
重 岡
″ 分かった。今から行くから待っといて ″
小 瀧
小 瀧
おんっ、
重 岡
重 岡
″ 大丈夫。すぐ行くから。″

そう言って切られた通話。



あなたに何かあったこと、しげは分かったはずやのに。







俺がまた取り乱さへんようにワザと黙ってくれとったんやろ?







小 瀧
小 瀧
あなた、ごめんな

小っちゃな体を持ち上げ、お姫様抱っこをする。


今だけは許してな?

小 瀧
小 瀧
んしょっ、

あまり刺激しないよう、慎重に運ぶ。

小 瀧
小 瀧
.....ぜったい、ぜったいに、
小 瀧
小 瀧
助けてあげるからな。
重 岡
重 岡
....小瀧!!

遠くから走ってくるしげ。



あぁ、来てくれたんや。

あなた。もうちょっとの辛抱やで。













俺の意識はここで途絶えた。

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