さっきまでとは違い、物音一つもない静かな雰囲気。
... いや、こういう雰囲気にしたいわけとちゃうけど、
誰もが放心状態やった。
あの後、救急車がきて担架に乗せられたあなた。
いつもなら怖いよって、俺の手握り返してくれるはずやのに
あの時のあなたはびくともせーへんかった。
ただただ、まるでお人形さんかのように
目を閉じたまま、救急隊員にされるがままやった。
あなたにつきっきりのしげ。
だいぶ時間がたった今でも救急車の中で、あなたに声をかけ続けてるんやろか。
俺がのんちゃんに差し出したのは、
クマのぬいぐるみ。
" 入院中寂しいやろうから、相棒あげる "
" ありがとう!!"
ぬいぐるみを抱きしめながら泣き崩れたのんちゃんに近づき、
背中をさする淳太と濵ちゃん。
、、、あかん、俺まで泣いてしまいそう。
ガチャッ
虚な顔で俺らの元へ帰ってきたしげ。
やめて、しげ。
そんな泣きそうな顔で、あんな残酷なこと
言わんとってっ、、、
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。