最近、あなたの様子がおかしいねん。
こんな時、毎回なんもしてあげられへん
自分に腹が立ってしゃーない。
そう。
あなたが部屋から出てこうへん以上、
俺らが出来ることはない。
とつぜん、
神ちゃんが震えた声で俺らを呼んだ。
神ちゃんが俺らに差し出したのはスマホ。
そのスマホの画面を覗くと、
@aaaaaaa
WESTの娘ちゃんはっけーん笑
抵抗してきたから、一発殴ってやった
(動画)
ある人のSNSでの書き込み。
その動画は、痛々しくて直視できひんかった。
俺はこれからある仕事をそっちのけにして
家へと向かった。
あなたが
消えてしまいそうな気がして。
今すぐ抱き締めるつもりやったし、
大丈夫やでって、頭を撫でてあげるつもりやった。
でもな?
部屋にもリビングにも、
あなたの姿はなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。