あの後輩くんの下心は僕に向けたモノなのだろうか
あの野郎は本当に本気で言ったのだろうか
もしかしたら後輩君は他に好きな子がいるんじゃないだろうか
あの野郎は罰ゲームか何かで告白したのだろうか
そうでなきゃ前醜いって言ったやつに告白なんかしないよな
それとも僕が引きずりすぎなのだろうか
なんでこいつがそれことを知っているのか
お父さんがもうこの世にいないのか知っているのかがわからなかった
ニュースにもなっていないのだから
そんなことを知っているのかが不思議で
怖くて
自然と頬に生暖かい水が触れるのがわかった
泣いてる
僕はどれだけ
殴られても
罵倒されても
見捨てられても
裏切られても
全く泣かなかったのに
なんでこいつの前で
こいつの一言で
こんなに涙が出てくるの?
ドンっ
反射的にこいつを押し倒してしまった
僕は恐怖と人を押し飛ばした罪悪感でいっぱいになりながら
はしった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。