第8話

天使の微笑み⑧北山→藤ヶ谷side
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2020/02/28 03:56
「無理だ、んな大金払いきれるわけがない」俺は、立ち直れないほど落ち込んでしまう。

が、そのとき。

藤ヶ谷
心配すんな、ふっ
北山
‥‥っ


藤ヶ谷の手が、優しく頬に触れ。

藤ヶ谷
あるだろ?お前には、すっげぇ
稼ぎ口が


ギュッと抱きしめられた瞬間、キスして来てよ。

北山
んんっ…っは
藤ヶ谷
前にも言ったはず1回50万で
買ってやるって
北山
ちょ、よせ


言うが否や、あの時と同じ服が脱がされて行き。

北山
んやっ…あっ‥ビクン
藤ヶ谷
大丈夫だってちゃんとやれたんだ
から、お前だって何度もイキ
北山
やめっ…ろ


その手が、唇が身体中を這い。

北山
さっ…きは‥家族に…なってくれ‥
るって…言ったじゃん


(どうしてだよ、くっ)

藤ヶ谷
身内でも、お金の貸し借りはきっちりしとかなきゃ
北山
やだっ、やっ、ビクン


でも、否応なく反応してしまう自分をどうする事もできず。

藤ヶ谷
あっ、そうだ言っとくが1回50万は俺の1回だから
北山
はっ?あっ
藤ヶ谷
お前のイク回数じゃないってこと


そう言った途端に藤ヶ谷の手が俺のを扱き始め。
「うわっ、ダメっ…だ」

藤ヶ谷
つうことで、さっそくイカせてやるよ
北山
くっ…あ‥ハァハァハァ
藤ヶ谷
もっといい声を出せ、気持ちいい
んだろ?
北山
やっ…ハァハァ
藤ヶ谷
ならイカせてやんない、クスッ
北山
あっ、ビクン


(頼む…もう‥こんなこと…するのは…やめてくれ)

藤ヶ谷
どうした?イキたいんじゃないの


(いっ、意地悪…だな)

藤ヶ谷
いいことを教えてやろうか?そういうときは、ニヤッ


俺には、分からなかった。

藤ヶ谷
ほら言ってみ?
北山
んっ…はっ‥あっ…


優しい藤ヶ谷、俺を抱く藤ヶ谷。

藤ヶ谷
仕方がない、まだ2回目だし
今回は許してやるか


どっちが本当のこいつなのか。

藤ヶ谷
じゃ挿れてしまうから思いっきり感じまくりな、ズブブブッ
北山
つああっ


ヌチャ、ヌチャ!

(やだ、やだって、おかしくなっちまう)

グチュ、グチュ!

北山
あっ、はっ、ああっ


認めたくなくても押し寄せて来る快感に、俺は少しでも声を出すまいと必死で堪え。

北山
んんーっ…うううん


「なっ、流され…る‥ダメっ…だ‥そしたらきっと」
自分は壊れてしまうのかもしれない。

(うっ、うわっ…あっ‥でっ…出ちまう‥ああ…あっ)

藤ヶ谷
よし次は2回戦へいくよ


この時から、そんな恐怖観念に囚われるようになる

藤ヶ谷
ほら、また勃って来た、クスッ


ズチャ、ズチャ!

藤ヶ谷
その姿めっちゃそそる鏡で見せてやりたいくらい、そしたらお前も認めるんじゃない自分がどれだけエッチなのか


「いっ、嫌だ見たくない」それは、回を重ねるごとに増して行き。

藤ヶ谷
またイッた、ふっ


心が、押しつぶされそうになったとき事は起きてしまう。

藤ヶ谷
今度は俺がお前の中へ出してやる番

まるで全ての想いを飲み込むかのように吹き荒れる嵐の如く、その身に降りかかり。






・藤ヶ谷side

その翌日、何故だか俺んちには人がわんさか集まって来ていて。

橋本
ねぇ~どこにいるの?その人
戸塚
ハッシーあんまりウロチョロしちゃ
ダメだよ


(だけど、どうしてコイツまでいるんだ?五関)

五関
良亮、騒ぐな静かにしていろ藤ヶ谷が鬼になってしまう


(もう、なっている)

橋本
だって早く会いたいんだもん
戸塚
ハッシー、ふっ


(誰が会わせるって言った)

塚田
そんなに大騒ぎするほど可愛いやつ
なのか?
河合
そりゃ太輔の溺愛ぶりったら
半端ないし
横尾
熱を出したときなんか薬を探して
大騒ぎしてたもんな


(ちょ待て、なんで知っているんだよ?ワタ)

戸塚
ふ~ん、そうなんだ
二階堂
慣れない料理を作ってあげたりガヤがあんなに愛妻家だったなんて俺、初めて知った、クスッ
塚田
へぇ~


(お前もってか別に、あいつは奥さんじゃねぇし)

千賀
でも本当は逆に作ってもらいたい
んじゃない?
横尾
エプロンを付けて?
千賀
そう、ニヤッ
五関
それもフリルがあるやつを、クスッ
千賀
あったりぃ~
河合
うえぇーっ、それって完璧
宮田Worldじゃん


(はっ?俺にそんな趣味はない彼奴と一緒にすんな)

塚田
色は何色?
千賀
もちろん
二階堂
オレンジいぃ~っ
河合
バカ、お前に聞いているんじゃねぇ
横尾
悪いニカはいつもそれをしているから


(そうなの?)

橋本
俺は白のフリフリをしている
塚田
誰の為につけているわけハッシーは?
橋本
ごっちに決まっているじゃん、んふふ
河合
うおっ、お前ら兄弟でラブラブ?
五関
りょ、良亮
横尾
そうか、やっぱりそういう関係
だったんだ
五関
ばっ、バレてしまった
一同
あはははっ


(しかし俺の周りって、なんでこう)

塚田
そういえば宮田たち遅いんじゃない?
二階堂
どうせ2人してドンパチやっているんだろ、ふっ


(その気のある奴らばかりが集まっているのさ)

橋本
それより、まだぁ?


(だから会わせる気はないって言っているじゃん)
と、そのとき。

河合
よっしゃあ、ほんじゃ河合ちゃんが
迎えに行ってあげよう


(はっ?よせバカ言っているんじゃね)

横尾
さっさと連れて来てお披露目でもしてやらないと、こいつら煩いから


(勝手な事をするんじゃ…)

河合
了解
藤ヶ谷
待て郁人
河合
うおっち、なら自分で行く?ニカッ
五関
こいつに任せたら何処かに連れ去られてしまうかもしれないよ、クスッ
藤ヶ谷
くっ、お前ら
千賀
行ってらっしゃーい
河合
俺らが待っているんだ襲うんじゃないぞ太輔
横尾
するなら夜にしな分かっているね
二階堂
ガヤとのエッチ、さぞかし激しいんだろうなぁ~
横尾
今度、それも覗いてみるか?うふふっ
二階堂
おう


(覗き見してたってわけ、はぁ…)

千賀
俺も俺も~
塚田
参加を希望しまーす
橋本
見たぁ~い、ねっ?いいでしょ
藤ヶ谷
そんなの却下に決まっている、お前らいい加減にしないと立ち入り禁止にするぞ


(ったくなんなんだ?そんなに俺があいつを囲っているのがあり得ないシュツエーションか、そりゃ確かに1年前までは…)

藤ヶ谷
はあっ?マジで
横尾
太輔には理解できないかも
しれないけれど
藤ヶ谷
男同士でどこがいいんたか
サッパリ分からない
横尾
可愛いよ~自分の腕の中で、あんあん鳴かすの
藤ヶ谷
ふーん、だけど俺は興味ないや


(ってな感じだったけどさ)

戸塚
相変わらず女にモテてているみたいだね、でもたまには自分からも惚れてみたら?
藤ヶ谷
別に、こっちからしなくても
寄って来るし
河合
それじゃあ面白くないじゃんか
藤ヶ谷
面白い?
横尾
恋愛は楽しむもんだよ
藤ヶ谷
楽…しむ?
河合
そう
横尾
成立する前に互いの駆け引きがあってこそ結ばれたとき喜びを感じる
藤ヶ谷
で、ワタはそれをニカとやったんだ?
横尾
あいつ最初は健永のことが好きでさ、でも健永は別に想い人がいて
藤ヶ谷
へぇ~初耳
戸塚
誰だか知っているの?
横尾
いや、そこまでは聞かなかった
河合
落ち込んでいる二階堂を渉が励ましているうち
横尾
今じゃあベタ惚れってわけ
藤ヶ谷
なるほど…が、俺にはそれさえも理解ができないし
河合
それは、太輔が本気の恋をしていないからさ


(本気の恋ねぇ、ふっ)

普通、恋愛っていうのは告白→結ばれて→同棲って流れで行くのが定番だが俺の場合は全く順序が違っていて強引にやってしまってから同棲→告白と来ている。

(ってことは身体の関係を持ったからといって安心できないってわけで、やり方がとんでもなく間違っているんだから当たり前なんだが)

「トントン、ガチャ」

ドアを開けると北山はボーッとしながらベットの上で座っていた。

(ほら…な)

でも、ちゃんと俺は告ったつもりでいたから。

藤ヶ谷
あの…
北山
‥‥っ


その上でエッチしたことだし一応、自分の気持ちは伝わっていると思っていたんだ、まさか聞き流していただなんて思いもせず。




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