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第23話

君への呼び方②北山→藤ヶ谷side
436
2020/11/04 03:26
キスブサの収録前ソファーで寝ていた藤ヶ谷が突然大声を出し目を覚まし。

北山
藤ヶ谷、大丈夫?うなされてた
みたいだけど
藤ヶ谷
あ、あぁ
北山
んっ?


(どうしたんだろ)

藤ヶ谷
ちょっと夢を見ていただけだから


そう言って目を逸らす…

北山
そっ、ならいいんだけどよ
二階堂
ミツうぅ、そろそろ行こう
北山
おう


チラッと、あいつの方を見れば俯いたまま。

二階堂
早く早くぅ~
北山
分かったって先行ってるぞ
藤ヶ谷
あぁ


(デビューしてから9年…早いものだ、フッ)
二階堂
ねぇガヤってさ時々ミツのことジッと見つめているよね
北山
そうかぁ?気のせいじゃね
二階堂
そんなことない俺の趣味わすれた?
北山
人間観察?
二階堂
そっ、今でもちゃーんと観察させてもらっています、ちなみにミツは
北山
ちょ、おいこら
二階堂
あははっ、焦ってる可愛い
北山
ニカ!
二階堂
ぎゃはは


俺をからかい楽しんでいるニカ「ふっ、明るくなって良かった」今更ながらに思う、あの日Jr.時代ニカは親友だと思っていた奴に裏切られ。

(暗かったよなぁ当時は今みたいに笑わなかったもん俺も横尾さん藤ヶ谷も心配で堪らず、壊れちゃうんじゃないかって、でもよく乗り切った、うん)

横尾
ミツ、今日の飲み会だいじょうぶ?
北山
収録が終わったら例の店へ集合だろ
横尾
いっぺんに行くと目立っちゃうから
少しずつ
北山
了解、しかし宮田が幹事で大丈夫かな


(俺は、そっちの方が心配)

宮田
はーい皆さん集まりましたねぇ
玉森
どう見たって全員そろっているだろ
宮田
はいはい、そこ物事を始めるには流れというものがあるんだから
玉森
ワタ、こいつ誰?
横尾
裕太の愛しいシンメでしょ、ニコッ
玉森
あぁーウザイやつね


「ガハハハッ」宮田の可笑しな仕切りで始まった
飲み会…

二階堂
みちゅ飲んでりゅか
北山
飲んでるよ、クスッ
千賀
ぎゃはははは、宮田、バッカじゃね
宮田
むむむっ、俺は本気で愛しているの
千賀
こう言っているけどタマはどうなのよ
玉森
…‥


「あらタマちゃん超ご機嫌ななめ」でも、何よりも驚いたのは。

藤ヶ谷
ワターねぇ~ワタってばぁ
横尾
はいはいタイちゃん今日はどうしたの
藤ヶ谷
んふっ、俺ワタがダイしゅき
横尾
俺も好きだよ、ニコッ


(藤ヶ谷が乱れているマジで!?)

藤ヶ谷
んじゃ、んじゃねチューしてチュゥ


「えぇーっ!?」横尾さんがほっぺにチューすると。

藤ヶ谷
そこじゃないのぉ
横尾
太輔、飲みすぎ
藤ヶ谷
ここここ、お口にチューって


(おっ、おい、大丈夫かぁ…)

横尾
ミツ、代わって
北山
やだよー
藤ヶ谷
むっ、北山きらい
北山
はっ?
二階堂
ガヤ、にゃーんてことを言うんだ
藤ヶ谷
だぁーって、だってさ俺の事やだって言ったし


(いやいや、そうじゃなく)

二階堂
だったら俺がもらうじょ、いいな?


「なんでそうなる?」しばし流れる沈黙…

藤ヶ谷
ううっ


(んっ?何か聞こえるぞ)

藤ヶ谷
ううっ…うっ‥だめ


(へっ?)

藤ヶ谷
だめぇニカ、じぇーったいダメえぇ


「ちょっちょ、えぇーっ!?」ボコンボコンボコン、ニカに蹴りを入れ大騒ぎする藤ヶ谷。

玉森
ガヤ壊れている、フッ


それを見て、クールに言うタマ。

二階堂
痛いーっ、いちゃいってばぁ
千賀
ガヤちゃん、やめてニカが可哀想
藤ヶ谷
おりぇのー


(んっ?)

藤ヶ谷
おりぇの北山、とりゅなぁーっ
2人
…‥(二千)
横尾
アハッ、言っちゃった
宮田
えっえっ、なに今の
玉森
お前は耳を塞いでいろ


全員が固まる中、藤ヶ谷はズリズリズリと俺の傍へ寄って来て。

ゴロン…

北山
ぁ…‥
藤ヶ谷
んふふっ


膝の上へ頭を乗せ数分後に、聞こえてきた静かな
寝息。

横尾
幸せそうな顔をし眠っている
北山
横尾…さん?
玉森
はい、じゃあー今日はお開き


(タマ?)

玉森
宮田、帰るぞ
宮田
はいタマさん
二階堂
しぇんがぁー
千賀
はいよ、ここにいるぅ
横尾
二人とも送ってく


(…あの‥みんな‥)

横尾
じゃミツあとの事は宜しくね、ニコッ


そして二人、取り残されてしまい。

藤ヶ谷
スースースーッ


膝の上には眠っている藤ヶ谷「どうしろって言うんだよ?この状況」

藤ヶ谷
フニャフニャ…き‥た…山


俺の名を呼び、ニヤっと笑い。

藤ヶ谷
スースースーッ


(ふっ、可愛い…こうやって見ると弟だった頃とちーっとも変わってない、なぁ藤ヶ谷、そろそろ肩の力を抜けよカッコつけたって本質的なお前はなんにも変わってないんだから)

俺は知っている藤ヶ谷の本当の姿を俺は、こいつのシンメトリーだから。




・藤ヶ谷side

目の前で、ニカとイチャついている北山。

二階堂
みちゅ飲んでりゅか
北山
飲んでるよ、クスッ


温かい眼差しで見つめ…

(いいな、いいなニカは俺もしたい…つうかやりたい。うわっ、やりたいだって)

そんな二人を横目で見ながら口へ運ぶグラスのスピードが上がり気がつけば…

横尾
太輔、ピッチ早くない
藤ヶ谷
んっ?


トローンとした瞳で見たら、ワタが素敵な王子さまに見えた。

藤ヶ谷
むふふっ、ニヤッ
横尾
太…輔?
藤ヶ谷
にゃんにゃん、ニコッ
横尾
えっ
藤ヶ谷
にゃあーっ


「そうだ、そうなんだよ」そして俺は気づく、あの夢と反対になればいいんだと。

.
タクシー来ましたよ
北山
すみませーん


(んっ?あれあれ誰かが俺を引っ張っているな)

北山
藤ヶ谷、なぁ~ちょっとは動いて


(北山?)

北山
俺はお前と違って地面にめり込んで
いるからさ


(あははっ)

北山
おっ…も‥重い~つぶれるぅ


(悪い悪い、んふふっ)

北山
ったくぅ、なに笑っているんだよ~


(こんな些細なことも幸せに感じる、かなりの重症かも俺) ブロロロ―

北山
参ったな、どうしよ


(これって所謂お持ち帰りってやつ?)

北山
仕方がないか、ふっ


「やったぁ~藤ヶ谷太輔、本日お泊まりしちゃいまーす」そこからの記憶がない。

北山
うわっ、ダメだめだってば、わわわっ


(なんか北山が叫んでいたよう…な)

北山
藤ヶ谷あぁーっ


朝、目を覚ますと何故だか俺はスッポンポンで寝ていて、それも北山と。ベットの中で、同じくスッポンポンで眠っている北山「ん~思い出せない、ここってこいつんち…だよな」

周りを見渡せばデスクの上にちょこんと座っているブタうさぎ?「懐かしい~お前、なんでこんなもん飾ってあるんだよ?クスッ」

北山
ん…ん~藤‥ヶ…谷‥お・も・い


「あはっ、さてと御飯でも作っておいてやるか」
起き上がり立とうとした次の瞬間!

藤ヶ谷
うわっ


身体がグラッとし北山の上へダイビング「むぎゅ」

北山
ふぎゃ
藤ヶ谷
わっ、悪い


慌てて起き上がったら、ブスッとした表情で。

北山
ったく朝からなんなんで


(いや、今のは不可抗力)

北山
昨日は昨日で今日は俺を潰す気?


(えっ?俺、昨日なんかした)

藤ヶ谷
あ…ぁ‥
北山
まっ、嬉しかったからいいけど


「嬉し…かっ‥た?」カァーッと、頬を赤らめている北山「えっえっ?えぇーっ、なんでだ」

北山
頭、痛くないの?
藤ヶ谷
んっ?


(そう言えば…ズキッ、ズキズキ、いっ、痛い!けど俺キングだから我慢する)

そう思い、黙っていると。

北山
ちょっと待ってて


北山さんベットから出て何処かへ行きました、で…帰って来た手には。

北山
これ


「酔いざましの薬?」しかし俺の目線は…

北山
どこ見てんだよ藤ヶ谷のスケベ


またまた顔を真っ赤にし、股間を両手で隠す北山。

(かーわいい、クスッ…だって息子ちゃんがチョコンと俺に挨拶していたから、つい)

「していません、していません」耳元でワタの声が聞こえた気がする、それから…

北山
…‥
藤ヶ谷
チラッ
北山
…‥
藤ヶ谷
あの…さ


超不機嫌な北山と一緒に朝食を摂り…

(なんかいつもとは逆だ、まぁ~昔は俺じゃなくこいつがツンデレだったから、おかしくはないんだけど)

北山
藤ヶ谷、仕事は?
藤ヶ谷
あ、オフ
北山
俺も


(えっ、それだけ言うと再びもくもくと食べ続ける、これはチャンスかもしれない)

藤ヶ谷
じゃどこか


言い掛けた、次の瞬間。

北山
俺を誘ってくれるの
藤ヶ谷
はっ?
北山
マジで?マジで俺を


クリクリッとした瞳を見開き、ガン見して。

藤ヶ谷
ん…まぁ~
北山
やったぁ藤ヶ谷が俺を誘った横尾さんじゃなくこの俺を
藤ヶ谷
あ、えっ?うん
北山
だったら昨日のことは許す、ニコッ
藤ヶ谷
はあっ?


「だから俺、昨日お前に何をやったんだよ」聞きたいけど聞けない自分。

北山
で、どこへ行くんだ?


キラキラと瞳を輝かせ、食らいついて来る北山。

藤ヶ谷
映…画?
北山
それからそれから
藤ヶ谷
ショッピング?
北山
うんうん、で?
藤ヶ谷
あとは…
北山
そんなに行くの藤ヶ谷、俺めっちゃ
嬉しい


(ヤバい、やばいヤバいヤバい可愛いすぎて抱きしめたくなる)

北山
準備して来るぅー


ドタドタドタっと足音も高らかに「…っておい片付け」

藤ヶ谷
チッ、しょうがねぇな~もう


「デートか、んふふふっ」嬉しくて自然と顔に笑みが溢れた「何年ぶりだろ?北山と二人きりで出掛けるの」




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