(淳平、淳平っていい加減にしろ)
(他にも思い出さなければならない相手がいるじゃん)
バッと、着せといたパジャマを剥ぎ取ると白い肌が露わになる。
赤の他人という言葉が俺の心に深く突き刺さり秘めた想いと重なって凶暴化させ。
そして、その乳首へと吸いつき。
身体をうつ伏せにすると尻を上げ、手を前へと回し男根を掴み扱いてく。
(ツプッ、ツプツプッ!)
(ぐにっ、ぐにゅ)
(異常とでも言いたい?そんなこと自分でもよく分かっている)
(グチュ、グチュ!)
(ズチャ、ズチャ、シュッシュッシュッ)
(抱くのを想像しながら何度そう思ったかしれない)
(それでも俺は、くっ)
(お前が欲しくて堪らないんだ二度と忘れないよう
しっかりと、その身体へ教え込んでやるから)
ズブッと誰も侵入したことがない中へ自分のを思い切り突き挿す。
(お前が誰のものなのかを)
が、奥まで入ったとたん北山の身体はビクンと後ろへ反り返り「ハッ、俺は何をやっているんだ?」
目にいっぱい涙を溜め…
(大切にしたかったんじゃないの、傷つけられない
よう)
悲しみの瞳を向け、見つめる表情にズキンと心が
痛む。
「護ってやりたかったんじゃないのか?この手で、その笑顔を」思わず抱きしめると無意識に手が背中へと回され自然と腰は動き出し、ギシッ、ギシッ!
(バカだ俺は、くっ)
(忘れられ拒絶されても、まだ…みっともないくらいに足掻きまくっている)
(欲しかったのは…)
全てが終わったとき、後味の悪さだけが心いっぱいに広がって胸がギュッと締めつけられた。
(本当に手に入れたかったのは、こんな形じゃなかったはずだ)
傷ついた裸体がベットの上で小刻みに震えている。
それでも、まだ彼奴のことを心配する姿を見て。
悪魔が口を滑らす…
(何を言い出しているんだ?俺は)
バタン!
捨て台詞を吐き部屋を出た自分がどんなに酷いことを言っているか分かっていても、それが金で縛りつける汚いやり方であったとしても俺はこいつを手放したくなくて。
(悪い、くっ)
「傍にいて欲しいんだ自分のものにしておきたいんだよ」心が叫ぶ悲鳴を上げながら愛し方を知らない俺は本心を言葉に出すことも出来ず、この後ドツボにハマって行くことになる。
表と裏の自分に翻弄され傷つくことで…
そして翌日ー
(くっそ、苛々が治まらない)
あいつに腹が立っているのか無理矢理やってしまった自分に腹を立てているのか、とにかく気分が悪く
と、そのときガチャッと扉が開き入って来たのは。
二階堂高嗣、千賀健永
俺の片腕とも言えるワタの、まぁ~言ってみれば
愛人みたいなもん。
(なーんて嘘、クスッ)
(この妙ちくりんカップルが…)
そこに親切な赤の他人が騙されてしまった善のやつに全てをぶちまけたとしたら、そいつのことを信じる?そう聞いたら。
すると、ワタが…
(Thank youワタらちょっとだけ楽になった。もう
一度、話してみる冷静に怒らずに落ち着いた空気
の中で)
(まるで、シマリスかモモンガを飼い慣らしているかのような気分になって来たけど)
が、そう思い北山がいる部屋へ向かうとジャーッ、水道の水が流れる音が聞こえキッチンの方へ行ってみれば。
「あいつ、なにをやっているんだ?あんな所で突っ立っていて」コップに水を汲み飲もうとした、途端にガチャンと。
手を滑らし床へ落としてしまい、俺が近づくと怯えたようにビクンと身体を震わし。
あげく差し出した手を避けられてしまい…
ビクビクしながらそう言うと、しゃがみ込みガラスの破片を拾おうとする姿を見て。
(そんなに嫌か?)
「触れられるのでさえも」片隅でブルブルと震えている姿に心が締めつけられる。
(やっぱり強引に行くしかないってことか、いやそれじゃあ昨日と何も変わらない。あんなやり方、もう二度としたくはないんだ)
と、動こうとした次の瞬間に北山は。
その身体が、倒れそうになり慌てて抱き止め。
ピタッとオデコを触ったら。
抱き上げ、急ぎ部屋へと連れて行き。
ドサッと、ベットの上へ下ろすと。
(ガラガラッ、ガチャン!)
(ポイッ、ポン、ドンッ、ポイン!)
気がつけば周りにはいろんなものが散乱し、だが
俺は気にもせず。
そんな俺を見て北山が唖然としていたことに気づかないまま俺は、ただ必死で探しまくっていたんだ。
なりふり構わず…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。