第3話

天使の微笑み③藤ヶ谷side
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2020/02/13 06:55
(淳平、淳平っていい加減にしろ)

北山
いっ、痛い、痛いってば放せ


(他にも思い出さなければならない相手がいるじゃん)

藤ヶ谷
認めたらどう?自分が裏切られた
ってことを
北山
くっ
藤ヶ谷
どんなにお前が思ったって、あいつはこれっぽちも気にしてなんかいないさ


バッと、着せといたパジャマを剥ぎ取ると白い肌が露わになる。

北山
やっ、やめろ、何をするんだ


赤の他人という言葉が俺の心に深く突き刺さり秘めた想いと重なって凶暴化させ。

藤ヶ谷
いいか、よく聞け!お前は性処理
道具として売られたんだ
北山
道…具?あっ
藤ヶ谷
買ったのは俺、それがどういう意味
だか分かる?持ち主は俺ってこと


そして、その乳首へと吸いつき。

北山
んっ…やっめ‥ビクン
藤ヶ谷
どうせ薬が効いてて動けないんだ
北山
んんっ
藤ヶ谷
いい機会だから今の自分の立場を
たっぷりと思い知らせてやるよ


身体をうつ伏せにすると尻を上げ、手を前へと回し男根を掴み扱いてく。

北山
くっ…ぁ‥はっ
藤ヶ谷
心配しなくても痛くないように
してやる初めてだっていうし
北山
ふっ‥ん…あっ
藤ヶ谷
こうして尻の穴へゼリーを塗れば


(ツプッ、ツプツプッ!)

北山
あっ、あぁ、よせ、そんな…とこ
藤ヶ谷
すぐに慣れ感じてくる


(ぐにっ、ぐにゅ)

北山
どうして…んな‥男…同士‥
なのに…変だぁ~


(異常とでも言いたい?そんなこと自分でもよく分かっている)

藤ヶ谷
後は、お前のいいところを探し当て


(グチュ、グチュ!)

北山
ひっ…ビクンビクン
藤ヶ谷
そこを攻めながら前も扱くと

(ズチャ、ズチャ、シュッシュッシュッ)


北山
もっ…やめっ‥てくれ…あぁ
藤ヶ谷
そう言っているわりには、お前の中
ヒクヒクして俺の指を締めつけてる
本当は気持ちよくて堪らないんじゃ
ないの?


(抱くのを想像しながら何度そう思ったかしれない)

藤ヶ谷
イキたいんだろ?ほら出してしまえば
北山
やっ…だ‥やっ…ビクンビクン‥んんっ…
くぅーっ


(それでも俺は、くっ)


北山
あっあっ、あぁーイッちまったぁ~
はぁはぁ、はぁ
藤ヶ谷
休んでいる暇はない本番は
これからなんだから


(お前が欲しくて堪らないんだ二度と忘れないよう
しっかりと、その身体へ教え込んでやるから)

ズブッと誰も侵入したことがない中へ自分のを思い切り突き挿す。

北山
つあっ…ああぁ‥


(お前が誰のものなのかを)

北山
あぁーっ


が、奥まで入ったとたん北山の身体はビクンと後ろへ反り返り「ハッ、俺は何をやっているんだ?」

目にいっぱい涙を溜め…

(大切にしたかったんじゃないの、傷つけられない
よう)

北山
ううっ…ヒクッ


悲しみの瞳を向け、見つめる表情にズキンと心が
痛む。

藤ヶ谷
…北‥山


「護ってやりたかったんじゃないのか?この手で、その笑顔を」思わず抱きしめると無意識に手が背中へと回され自然と腰は動き出し、ギシッ、ギシッ!

北山
はっ…あっ‥ああっ…やだ‥やっ…
ああぁーっ


(バカだ俺は、くっ)

北山
うあっ、あっ、んっ


(忘れられ拒絶されても、まだ…みっともないくらいに足掻きまくっている)

北山
ふあっ、あっ
藤ヶ谷
くっ


(欲しかったのは…)

全てが終わったとき、後味の悪さだけが心いっぱいに広がって胸がギュッと締めつけられた。

北山
かっ、帰して…くれ


(本当に手に入れたかったのは、こんな形じゃなかったはずだ)

北山
頼む


傷ついた裸体がベットの上で小刻みに震えている。

北山
じゃなきゃ…淳平が


それでも、まだ彼奴のことを心配する姿を見て。

藤ヶ谷
お前次第では自由にして
やってもいいよ


悪魔が口を滑らす…

藤ヶ谷
全部で2億、借金すべてを返済
し終わったら
北山
むっ、無理だ!


(何を言い出しているんだ?俺は)

藤ヶ谷
心配しなくても返す方法が
あるじゃん、ふっ
北山
えっ
藤ヶ谷
その身体、抱くごとに1回50万
支払ってやる
北山
なっ!?
藤ヶ谷
せいぜい頑張ってみたらいいさ
北山
そん…な


バタン!

捨て台詞を吐き部屋を出た自分がどんなに酷いことを言っているか分かっていても、それが金で縛りつける汚いやり方であったとしても俺はこいつを手放したくなくて。

(悪い、くっ)

「傍にいて欲しいんだ自分のものにしておきたいんだよ」心が叫ぶ悲鳴を上げながら愛し方を知らない俺は本心を言葉に出すことも出来ず、この後ドツボにハマって行くことになる。

表と裏の自分に翻弄され傷つくことで…

藤ヶ谷
俺の…天使、くっ


そして翌日ー

横尾
で、郁人にいろいろと調べてもらったんだけど売れる土地はもうないってさ


(くっそ、苛々が治まらない)

横尾
どうする?このままだと全部は
完済させられないよ


あいつに腹が立っているのか無理矢理やってしまった自分に腹を立てているのか、とにかく気分が悪く

横尾
太輔、聞いてる?
藤ヶ谷
えっ?あっ、あぁ
横尾
やっぱり郁人が言ってた通りだ
藤ヶ谷
何が?
横尾
可愛いペットを買ったらしいじゃん
藤ヶ谷
なっ、あいつはそんなんじゃ…ない
横尾
ふっ、まぁ~いい、けど気をつけないと親父さんが死んで若い太輔が跡を継いだことでこの会社を狙っている組織が怪しい動きをしていると聞いた
藤ヶ谷
知っている
横尾
それだけ親父さんが裏稼業の連中にとって目の上のたん瘤だったってわけだ
藤ヶ谷
暴力団の組長ともやり合ってしまう
凄い肝っ玉のデカい人だったから
横尾
注意しないと奴らに首根っこを
掴まれないよう
藤ヶ谷
分かっている


と、そのときガチャッと扉が開き入って来たのは。

二階堂
まだ終わらないのか?渉
千賀
俺たち待ちくたびれちまったよ
藤ヶ谷
うわっ、お前ら来ていたんだ!?


二階堂高嗣、千賀健永

俺の片腕とも言えるワタの、まぁ~言ってみれば
愛人みたいなもん。

横尾
もう少し待ってて


(なーんて嘘、クスッ)

藤ヶ谷
そういえば、こいつら従兄弟同士
だったよな
横尾
んっ?あぁそうだけど、それが
どうかした
藤ヶ谷
たとえば、どちらかが悪で
もう片方が善だったとする
横尾
はあっ?
藤ヶ谷
で、悪のやつが善のやつを裏切り
千賀
そんな事しねぇよ
二階堂
しないしない
千賀
なぁ
藤ヶ谷
例えばって言ってるじゃんバーカ


(この妙ちくりんカップルが…)

そこに親切な赤の他人が騙されてしまった善のやつに全てをぶちまけたとしたら、そいつのことを信じる?そう聞いたら。


二階堂
俺らの間では絶対に有り得ない話しだから分からねぇや、アハハッ
千賀
そうそう俺とニカの血は2人の愛
によって出来ているんだし
藤ヶ谷
聞いた相手を間違えた


すると、ワタが…

横尾
太輔の言いたいことは分かるよ
藤ヶ谷
えっ
横尾
しかし、この世の中は血の繋がりうんぬんの前に一番可愛いのは自分、そういうが奴がわんさかいる
藤ヶ谷
が、そうじゃないやつだっているさ
横尾
こんな仕事をしていると身内同士の
醜い争いごとを嫌ってほど見ている
から、そんな奴いたら天使に見えて
しまうんだろうけど
藤ヶ谷
‥‥っ
横尾
もし天使なら、いつか伝わると思う
その気持ち


(Thank youワタらちょっとだけ楽になった。もう
一度、話してみる冷静に怒らずに落ち着いた空気
の中で)

藤ヶ谷
ふっ


(まるで、シマリスかモモンガを飼い慣らしているかのような気分になって来たけど)

が、そう思い北山がいる部屋へ向かうとジャーッ、水道の水が流れる音が聞こえキッチンの方へ行ってみれば。

北山
はぁ…


「あいつ、なにをやっているんだ?あんな所で突っ立っていて」コップに水を汲み飲もうとした、途端にガチャンと。

藤ヶ谷
だっ、大丈夫か
北山
ぁ…ビクン


手を滑らし床へ落としてしまい、俺が近づくと怯えたようにビクンと身体を震わし。

藤ヶ谷
怪我は?見せてみ
北山
くっ


あげく差し出した手を避けられてしまい…

北山
ごっ…ごめん‥喉が…乾いた‥から…
水を飲もうと‥思って


ビクビクしながらそう言うと、しゃがみ込みガラスの破片を拾おうとする姿を見て。

藤ヶ谷
危ない触るな
北山
ビクン


(そんなに嫌か?)

北山
でも…
藤ヶ谷
いいから俺がやる


「触れられるのでさえも」片隅でブルブルと震えている姿に心が締めつけられる。

(やっぱり強引に行くしかないってことか、いやそれじゃあ昨日と何も変わらない。あんなやり方、もう二度としたくはないんだ)

と、動こうとした次の瞬間に北山は。

北山
ふらっ
藤ヶ谷
おい!


その身体が、倒れそうになり慌てて抱き止め。

藤ヶ谷
ちょ待て、お前!?


ピタッとオデコを触ったら。

藤ヶ谷
バカ、凄い熱じゃん!そんな身体で
ウロウロしているんじゃないよ


抱き上げ、急ぎ部屋へと連れて行き。

北山
あ…の‥
藤ヶ谷
とにかく寝ていな


ドサッと、ベットの上へ下ろすと。

藤ヶ谷
今、解熱剤をやるから待っていろ


(ガラガラッ、ガチャン!)

藤ヶ谷
くっそ、解熱剤どこだ解熱剤!
北山
‥‥‥
藤ヶ谷
なんでないんだよ出て来い、こらぁ~


(ポイッ、ポン、ドンッ、ポイン!)

気がつけば周りにはいろんなものが散乱し、だが
俺は気にもせず。

藤ヶ谷
ねぇ、ねぇねぇ、ここにも


そんな俺を見て北山が唖然としていたことに気づかないまま俺は、ただ必死で探しまくっていたんだ。

なりふり構わず…




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