第188話

愛と嘘の結末… 43
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2023/04/03 14:00





ハリーの言う通り、夏休み明けのホグワーツは
今までの面影を残さない程に 大きく変わってしまった。

生徒は軍隊のように統率され、城には死喰い人達が蔓延り、授業の内容もすっかり違うものになっていた。

ヴォルデモート率いる死喰い人に支配され、マグル生まれの生徒の姿は…もう学校にはなかった。

そして、そんな最悪の場所に変わったホグワーツの新しい校長の座には、"スネイプ先生"がついていた。


変わり果てたホグワーツに、殆どの生徒や他の教員は恐怖心や強い不満を抱いていた。しかし、ホグワーツの外に出たところで、魔法省すらもヴォルデモートの手中に収まっている今では、最早どうしようもない。


私だって、今のホグワーツには不満しかない。
けど、残酷な学校生活よりも…そんな学校に姿すらない
ドラコの事の方が気になり、心配で仕方なかった。
誤算だった。スネイプ先生がホグワーツに戻って来て
校長の座につくなんて…

校長になったスネイプ先生は、多くの生徒から憎まれていた。

だけど、皆は気づいていないだけで、罰則を与えられそうになった生徒を、できる限りカロー兄妹の大好きな体罰から遠ざけ、別の罰則を与えて守ってくれていたのは、他でもないスネイプ先生だった。

多分先生は、何か別の目的を果たすため…そして、残された生徒達を守るためにも、ホグワーツに戻って来たのだろう。でも、先生がこの場にいる以上、私はドラコの安否を確認する事が出来なかった。
唯一出来ることといえば、『ドラコは無事ですか?』と思いながらスネイプ先生に視線を向ける事くらい。

その視線に気がつけば、先生は『心配するな』とでも言うような若干呆れた表情を浮かべてくれるのだ。


だけど、彼が無事かどうかを判断する材料は本当にそれくらい。誰かの言葉で、ドラコの無事を聞くことは出来なかった。
あなた
無事でいて……
殆ど何もできない中で、私は首元の"ある物"をぎゅっと強く握り、そんな事を願い続けた。




何も出来ず、ただ死喰い人達に支配された学校中で
ダンブルドア軍団として、カロー兄妹達に歯向かい

下級生達の事を守りながら、学校生活を続けた。









そして、ドラコの安否もハリー達の消息も分からぬまま
学校で過ごす1年の半分が過ぎた頃、漸く聞きたかった知らせが舞い込んだ。









イースター休暇が明け、休暇中 誘拐されたと噂されていたルーナが、無事 休暇後のホグワーツに姿を現した。
あなた
ルーナ!!
噂を耳にし、心配していた私は、彼女が必要の部屋に入ってくるや否や彼女に勢いよく抱きついた。
あなた
大丈夫?何があったの…?
ルーナ・ラブグッド
ルーナ・ラブグッド
平気だよ、"マルフォイの館"にいたんだ
あなた
…え……?

彼女の肩を掴んでいた手に、若干の力が入り
平穏だった心臓が、耳に届くほど五月蝿く鳴り始める。
あなた
、マルフォイの…館に…?
動揺のせいか声が震える。そして、最低な事に 私の頭の中は、今目の前にいるルーナの事では無く、思い続けていた"彼"の事で意図も簡単に埋め尽くされた。


"マルフォイの館"


彼が学校に来ないのなら、自分の家であるそこにいる可能性が高い。ルーナがそこに連れられていたのなら…

そんな私の考えを察したのか、ルーナは嫌な顔1つせず
優しく微笑みながら、私の事を真っ直ぐ見つめた。
ルーナ・ラブグッド
ルーナ・ラブグッド
彼もいたよ?話してはないけど…
ルーナ・ラブグッド
ルーナ・ラブグッド
でも、ハリーは少し話したみたい
言葉では表しきれぬ安堵感が、私の心に押し寄せる。

ドラコが無事だと分かっただけで、私は今にも膝から崩れ落ちるのではないかと思うほど、強ばっていた体の力が抜けた。
あなた
そ、そう……
実際に会えるまで、まだ完全に安心は出来ないが…
とりあえず、今はまだ…彼が無事で良かった。

こんな状況下で不謹慎かもしれないが、そう思った私の頬は、僅かながらに緩んでいたと思う。


でも、いつまでも自分勝手な感情に浸っている訳にもいかず『彼はどうだった?』と口から出かけた言葉を飲み込み、ひと呼吸おいてから、ルーナが言った言葉を改めて頭の中で再生した。
あなた
え、待って…"ハリー"って言った?
ルーナ・ラブグッド
ルーナ・ラブグッド
うん、ハリー達も来たんだ
あなた
 じゃあ、ハリー達もッ…
ネビル・ロングボトム
ネビル・ロングボトム
ハリーに会ったの?
あなた
ネビル…
私が、ルーナからハリー達の事を聞こうとしたその時
丁度罰則から帰ってきたネビルが、興味津々そうにその話に食いついた。
ネビル・ロングボトム
ネビル・ロングボトム
みんな無事だった?
ルーナ・ラブグッド
ルーナ・ラブグッド
うん、でも…ドビーが……
あなた
ドビーが?
ルーナから話を聞くと、マルフォイの館にある地下室に閉じ込められていた所を、ドビーが助けてくれたらしい

だけど、ハリー達を助け出す途中…運悪く、ベラトリックス・レストレンジが投げたナイフが刺さり、命を落としたそうだ。

ドビーの事は、人伝に聞くばかりで実際に会って話したのはほんの数回程度…でもその度に、自由な屋敷しもべ妖精だなと思っていた。
あなた
彼は多分…1番"勇敢"で"自由な妖精"ね
そして、今回の話を聞きて、私はそんな事を思った。
私の言葉に、ルーナの話を黙って聞いていたネビルも少し寂しげにしながら何度か頷いた。


その後も、私達はルーナから色々な話を聞く事にした。
"マルフォイの館"で何があったのか…何が起きたのか…
























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ついに始まった7年生。
ドラコとあなたちゃんは未だ離れ離れです。
これから、どうなっていくのでしょうか…


さて、ここで少し宣伝です✨
この度、新たに小説を更新させて頂きました!

他の小説と違い、作者の好みを詰め込んだ作品ですが
今までに投稿した作品のアフターストーリー等も投稿する予定ですので、既存の作品と共にゆる〜く楽しんで頂けたらなと思っています🍀*゜


【お気に入り🌟】1,400人突破!🎉
皆様、いつも応援ありがとうございます!🥰

これからも、どうぞよろしくお願い致します🙇‍♀️✨

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