しばらく屋上にいた私はやっと口を開くことが出来た
先生は私に寄り添って隣に座ってくれてた
ダメだ、やっぱり涙出ちゃうよ、笑
なんで先生はそんなに優しいんですか、、
もう、学校やめよっかな。
違う学校に行ってもいじめられるのかな
岸先生が話し始めたと同時に
私は立ち上がった
そのまま私はゆっくり前に進んで、
屋上の柵に手をかけた
先生が私に近づかないように
私は大声を出した
もう先生の顔は見ない
ただ空の向こうを見つめてた
私は柵を越えて
あと一歩踏み出せば
天国に行けるとこまできた。
私は振り返って先生を見つめた
そして深呼吸をして
気を取り直し、1歩、前に、
誰もが私をいじめるなら、
私はこの世を立ち去りたい。
みんな喜んで、めでたしめでたし。。
目を閉じて1歩踏み出せば
体が何か暖かいものに包まれた
ゆっくり目を開けて見れば、
先生の腕が私を抱き寄せてた
ダメだ、先生に負けた。
先生に腕を掴まれたまま
私は柵を越えて
屋上のど真ん中まで連れてかれた
そして先生に強く抱き締められた
めちゃめちゃ怒られた。。
本気で叱ってくれる先生も岸先生しかいない。
最初から、そんなつもり無かったんだ。
だけど、もう辛くて、我慢するのも、無視するのも、もう限界だったんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!