第31話

宴会の準備を致しましょう【月永レオ】
948
2020/12/07 12:00
「姫〜!」

コンコン、とノックをした後に明るい笑顔を覗かせる。


「なに不思議そうな顔してるんだ?これからパーティーに行く準備するんだろー?」


パーティーを忘れていた姫に、ひとりの騎士は優しく笑う。


「もしかして忘れてたのか?しょうがないなぁ〜、おれが準備を手伝ってやろう!」

ほらこっち、と手を差し出されてクローゼットの前に立つ。


「ん〜、姫には似合いそうなのは〜。これだな!」


クローゼットを開けた騎士は、少し悩んだ後にぱっと笑ってひとつのドレスを手に取る。


「よし、姫。着替えるぞ〜」


いつもは付き人がやっている役目を目の前の騎士がこなす様に、姫は目をぱちくりとさせる。


「あぁ、そうだ。いつもの付き人のひと、今日は奥様の方に行ってるらしいんだ。代わりに俺たちなんだけど、堪忍してくれよ〜?」


困ったように笑った騎士は、姫にドレスを着させていく。
着させ終わると、少し満足気に頷いた。


「うん。俺の見込み通り!姫、ドレス似合ってるぞ〜☆」


褒め言葉に少し頬を赤らめる姫に、騎士ら頭を撫でて声をかける。


「パーティー、たくさん楽しんでこいよ・・・☆」


そう言うと、優しく背中を押して姫を送り出した。

プリ小説オーディオドラマ