第34話

宴会の準備を致しましょう【朔間凛月】
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2020/12/10 12:00
「ふあぁ、ふ・・・あれ、姫様。来たんだねぇ?良かったよ。もうすぐ寝ちゃうところだった」


欠伸をしながら騎士が振り返る。


「・・・なんてね。流石にお仕事だし。寝ないよ」


外に出ない仕事で良かった〜、なんて言いながら騎士は立ち上がって姫に手を差し伸べる。


「じゃ、俺は靴選んであげようかな・・・♪」


騎士は靴箱の前で顎に手をやる。


「今日のパーティーは立ってる時間が多そうなんだっけ?」


ふと思い出したように姫に問う。


「そっか。じゃあ、ヒールは低い方がいいよねぇ・・・?」


そう呟きながら、騎士はブーツを取り出す。


「ふっふっふ・・・♪いいでしょ。モコモコであったかいよ」


いたずらっ子のようにそう笑うと、姫を座らせ、靴を履かせる。


「姫様の足、綺麗だね・・・噛みついちゃいたいくらい・・・♪」


騎士はそう言って歯をキラリと覗かせて妖しく笑う。


「そんな不安そうな顔しないでよ。実際にやったりしないってば。でも、俺以外にこんなこと言ってくるやつがいたら気をつけるんだよ?」


騎士は姫の頭を優しく撫でると、急に真剣な顔つきになって注意を促す。



「じゃあ、行ってらっしゃい。俺は外まではついていけないけど、楽しんでおいで・・・♪」


騎士は、もう一度欠伸を漏らしてそう言った。

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