第31話

MerMade
1,727
2023/02/04 14:13










ねぇ、知ってる?

人魚の肉を食べると、不老不死になるんだって。




なんて、突然ぽつりと零す君。
🐰『………食べて欲しいの?』
そう聞くと、君の尾ひれはピチピチと反応した。


「うん、よくわかったね」
海の崖下にある洞窟のなかに、君の声と
尾ひれの音が響いた。
「私、どう頑張っても人間にはなれなかった」

「ほら、昔の言い伝えでさ、
声を犠牲に足を貰った人魚がいるでしょ?」
「あの薬、貰ったんだけどね」

そう言って、小さな小瓶を岩の上に置く。


「……怖いの。あの言い伝えと同じように、
私も泡になっちゃうんじゃないかって」


🐰『……ぼくは君が好きだよ?
絶対、目移りなんかしない』


「……でも、あなたは私より早く死ぬの」


僕の余命はあと3ヶ月だった。
病院が退屈で仕方なくて、
海辺を散歩していた時、
この洞窟で、歌の練習をしていた
君を見つけたんだっけ。

「声も出せないまま、あなたがいない世界で
一人で生きていくなんて無理なの」

そう言うと、君は
柄の長いナイフを取り出した。


「これで、私の心臓を刺して。」


僕に、その柄を握らせて。

🐰『……む、無理だよ。
僕に君は殺せない』
「大丈夫。私は死なないわ」


「絶対にあなたに会いに行くから。」








「さあ」









「召し上がれ」








🐰『……………、』












🐰『…………不味。』














xx年後




『スビンさん、昔のことよく知ってんなぁ。』
『その話、俺のひいじいさんの時代だぜ。』


🐰『ははは…この海の家で働くために
勉強したもんですから…』


「あ、そうそう。」
「今日な、浜辺で迷子の子見つけたんだよ。」

🐰『迷子?』


「ほら、あそこの席に座ってる子」


「どうやら、声が出せねぇみたいなんだ。」



🐰『……………!!』


「お、おい?知ってんのか?その子」




🐰『ねぇ……君、さ、』





あぁ、この子。この子だ。

僕がxx年、xxx年探し回った子。


その子は、僕を見ると、





「おいしかった?」



と、声が出せないなりに口を動かした。



I am made of Mermaid

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