第37話

いつも保健室にいる人
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2023/04/23 07:16







🦊『ち〜っす……って、お前またいるのかよ』


5時間目。
古典の授業をサボりたくて、俺は先生に
『今日熱あるんすよ〜』とか適当なことを言って
保健室の許可証を貰った。

行ってみると、そこには生徒が1人、椅子に
ちょこんと座っているだけだった。


🦊『せんせーは?』

🐻『ついさっき、職員室に行ったよ』

こいつはいつも保健室にいる。
髪は伸びっぱなしでまるで女子。
この間来た時には腕に包帯を巻いてたけど、
こんどは右目に眼帯をしてる。
たしか、名前はボムギュだっけ?
いつもどこかしら怪我をしていて、
ボムギュ曰く、
🐻『おれ、ずっと眠いんだよ。
だからぼーっとして、どこかにぶつけちゃう』
って言ってた。
変なやつだ。

🦊『まあいいや。勝手にベッドで休んでるから、
先生に言っといてよ』


🐻『あ、ちょ……』


俺は適当に端っこのベッドのカーテンを開けると、
どさっ、とそこに寝転んだ。


うとうとと微睡み始めた時、保健室のドアが
開いた音がした。


🐰『ごめんね。少し遅くなったね』

保健室のスビン先生の声。


🐻『あ……えと………』


🐰『カン先生ったら疑い深いんだよ。』
🐰『ボムギュくん、いつも保健室にいますけど
大丈夫ですか?って聞かれちゃってさ〜。』



🐰『大丈夫だよね?ボムギュ?』



🐻『う…うん、』



ボムギュのぎこちない返事。
ボムギュはスビン先生と仲がいいのかな?


🐰『目の方、どう?まだ痛む?』
🐻『あ…っ、大丈夫、眼科に行って目薬貰ったし…』
🐰『そっか、よかった』
聞くところ、ただの仲良い先生と生徒って感じだし、
俺は寝るか〜……


▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥

それから、何分かして。



🐻『………くん、』


🐻『ヨンジュンくん、』



🦊『……んぁ?ボムギュ君?』

切羽詰まった顔で俺の布団を掴むボムギュ。
🦊『どした?もう放課後?』
くそ〜…寝すぎたかな。


🐻『……はやく、ここから出て』

🦊『…え?』

🐻『お願い、先生が帰ってくるまでに
保健室から出て』

🦊『は?なんで?』
つーか、さっき先生いたじゃん。
またどっか行ってんの?

🐻『はやくっ……、はやくしないと、』


🦊『………っ、!?お、おい、なんで泣くんだよ』
何故かポロポロと涙を流し始めるボムギュ。


🦊『…わ、わかったから、』


すると。




ガチャ



🐰『ボムギュー?どこにいるの?』



🐻『……………っ、!!!』

顔を真っ青にしたまま、慌てて
ベッドのカーテンから飛び出すボムギュ。
スビン先生の高い影がカーテンにうつる。

🐰『あれ?泣いてんの?』
🐻『あっ……こ、これは…』
影がどんどん大きくなっていく。

やばい、こっちに来る。


🐰『………そこに誰かいんの?』


🐻『……ぇ、まって、いな』
ガラッ


カーテンが開く。


🦊『うわっ、』

先生がぎろりとこっちを見ていて、
ボムギュはカタカタ震えながら俺と
スビン先生を交互に見ている。


🐰『……なにこれ。』
🐻『や、これはあの、ちがくて、』


🦊『あー……5時間目からここで休んでました。
勝手に入ってすんません。』

🐰『ボムギュヤ』


🐻『ひっ………』

🐰『なんでわかんないの?僕が怒ると怖いって』

ドンッ、と隣のベッドにボムギュを突き飛ばす先生。
🦊『ちょ、何してるんすか』
🐰『あぁもううるっさいなぁ………』

こっちをぎろりと睨みつけると、


バキッ



🦊『……へ、?』

頬が痛い。
え、な、殴られた?先生に?
🦊『かはっ……』

🐻『こっ…この人は関係ないってば!!!
やめろって!!』
口内を噛んだのか、血の味がする。
🐰『お前が悪いんだろ、そうやっていつも
僕を怒らせるから』

🐻『やっ……』


ブチブチ、と制服を雑に脱がれるボムギュ。

ボムギュの体には、信じられない量の傷跡。

🦊『やめ…っ、せんせ、』
🐰『あーもうお前うざい、黙って』
胸倉を掴まれたと思えば、もう1発殴られて
目の前に火花が散る。

やばい、意識が……


🦊『ぼむ、………ぎゅっ…』

スビン先生がボムギュに覆いかぶさって、
姿が見えなくなる。
スビン先生がズボンを脱ぎ捨てて、
俺の頭にばさっ、とかかった瞬間、
俺は意識を手放した。

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