朝目が覚めると、自分がいるのがいつもの見慣れた部屋でないことに、
と呟く。
昨日は結局、急に空き部屋は用意できないということで、イレイザーの部屋に泊めてもらったのだが、
イレイザーは私よりだいぶ前に起きていたらしい。
2人でイレイザーの用意した朝食を食べると、雄英へ向かって寮を出た。
No.1ヒーロー、オールマイト。
日本では誰もが知っている大ヒーローだ。
だが、オールマイトさんと呼ばれたその先にいた人物は、、
痩せこけた体の、あまりにも風貌が違う男だった。
笑顔で別れたものの、やはり気になってしまうオールマイトさんのあの姿。
普段は無理をしてあの姿に、ということなのだろうか。
いつも子供たちに笑顔を届けるNo.1ヒーローの外には見せない姿。
ヒーローという職業を大変さと、それでも一切出さないで仕事を続けるオールマイトさんの強さがが伝わってきた。
校長室につくと、編入手続きの書類にサインをしていく。
イレイザーは一瞬なにか考えるような顔をした。
敵関係の事件で、名前を聞いたことがないか思い出している、というところだろうか。
書類を全て提出したあとは、制服とコスチュームのための採寸をしたり、コスチュームの要望を考えたりと、事務的な作業をした。
イレイザーは私の顔をみるとニヤッと笑った。
なんだろう、そう思っていると、
昨日の、一瞬で敵を捕縛していた光景が思い出される。
この人の個性が何か知らないけれど、
一つだけ言えることは、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。