なんのことを言っているのか分からないまま
校長室にきたのだったが、、
全く想像もしていなかったチャーミングな校長が私たちを迎える。
場の空気が変わるのを感じる。
その通りだ。
自分も最初はあまりに突然な話に頭が追いつかなかったくらいだから、他の人からしたら尚更だろう。
校長先生のところに行っていきなりOKなんて言って貰えるはずがない。
暗い気持ちになっていると、
ヒーローになることがそんなに甘くない道であることは、よく分かっている。
それでも、、、
あのときは口に出さなかった言葉。
気がつけばどんどん溢れてきていた。
言葉と共に、目からは涙が溢れてくる。
イレイザーも一緒に頭を下げてくれていたらしい。
私たちは顔を上げて校長先生を見る。
涙が止まらない。
なんとか雄英高校に編入できることになった私。
校長先生にお礼を言って、校長室を出る。
まだまだスタートライン。
自分にそう言い聞かせつつも、高揚した気持ちは収まりそうにない。
私は頬に残る涙をふいて、イレイザーを追いかけた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!