第4話

スタートライン
70
2021/05/24 03:01
相澤消太
相澤消太
とりあえず校長のところに行く。
校長を見たら驚くと思うが、気にするな。
○○
○○
はい
○○
○○
(驚くって、なんのことだろう)
なんのことを言っているのか分からないまま
校長室にきたのだったが、、
○○
○○
わっ!!(ね、ねずみ?)
根津校長
根津校長
やあ、僕が校長なのさ!
全く想像もしていなかったチャーミングな校長が私たちを迎える。
相澤消太
相澤消太
こんにちは校長。これが先程電話で話した、、
○○
○○
あなたです。よろしくお願いします。
根津校長
根津校長
あなたさん!
はじめまして、よろしくなのさ!
相澤消太
相澤消太
それで、さっそく本題なんですが、
場の空気が変わるのを感じる。
根津校長
根津校長
急に女の子を連れてきて、この子を自分のクラスに入れたいって…君の頼みとはいえ話が突然すぎるのさ、イレイザーヘッド。
その通りだ。

自分も最初はあまりに突然な話に頭が追いつかなかったくらいだから、他の人からしたら尚更だろう。
校長先生のところに行っていきなりOKなんて言って貰えるはずがない。
○○
○○
(やっぱり無理な話なのかな…)
暗い気持ちになっていると、
相澤消太
相澤消太
申し訳ありません。校長。
でもあなたの戦っているのを見て、俺はこの子はヒーローになれる奴だと確信しています
○○
○○
イレイザー、、
相澤消太
相澤消太
あなたがヴィラン側の人間ではないことは俺が保証します。
相澤消太
相澤消太
だから、認めていただけないでしょうか。
○○
○○
私からも、ぜひお願いします。
根津校長
根津校長
あなたさん、ヴィランの動きが活発になってきてることは君も知っているよね?
○○
○○
はい。
根津校長
根津校長
それと戦う僕たちヒーローも、より強い仲間を増やしていかないといけない。
根津校長
根津校長
でもそれはただ人数を増やせばいい訳ではないことも分かるよね?
相澤消太
相澤消太
校長、俺はそういう理由であなたを連れて来た訳じゃ、、
根津校長
根津校長
わかっているさ、イレイザーヘッド。
ただ僕は、あなたさんがヒーローになるってことがどれだけのことなのか、分かっているのかって話をしているのさ。
なんのためにヒーローになるのか、なんのために戦うのか、それが無い人には、この道は厳しすぎる。
○○
○○
私は、、
ヒーローになることがそんなに甘くない道であることは、よく分かっている。


それでも、、、
○○
○○
私はずっと、適当に生きていけばいいって思ってたんです。自分はそれだけの人間だって思ってた。
個性のある程度使いこなせるようにしたのも最低限の戦う術を身につけたのも、いざというとき護身に使えればいいくらいの気持ちでした。
相澤消太
相澤消太
あなた、、
○○
○○
でも、イレイザーに素質があるって、ヒーローになれるって言われたとき、

適当なんかじゃなくてちゃんと何かのために生きられる人間になれるって、
自分を、自分の力をもっと認めてあげられる人間になれるって、

そう思ったんです。私にとっては人生で1番の褒め言葉だった、人生で1番うれしかったんです。
あのときは口に出さなかった言葉。
気がつけばどんどん溢れてきていた。
○○
○○
だから、そんな「人生で1番」をこんなすぐに捨てられる訳ないです!!
○○
○○
私は絶対、ここで自分を変えてみせます!そして誰よりもたくさん人を助けられるヒーローになります!
そのために、ぜひ私を雄英に入れてください。
お願いします。
言葉と共に、目からは涙が溢れてくる。
根津校長
根津校長
あなたさん、顔を上げて。
イレイザーヘッドも。
イレイザーも一緒に頭を下げてくれていたらしい。
私たちは顔を上げて校長先生を見る。
根津校長
根津校長
僕は別に君を雄英に入れることに反対してたんじゃないのさ。
○○
○○
え、
根津校長
根津校長
さっきも言ったけど、たまたま会ったイレイザーヘッドに誘われて連れてこられたと聞いて、強い思いも無いままヒーローを志すのは厳しすぎると思ったんだよ。
でもあなたさんのいまの話を聞いていると、そんな心配はいらないようだね。
○○
○○
ってことは、
根津校長
根津校長
うん!
雄英高校へようこそ!
改めてよろしくなのさ!
○○
○○
ありがとうございます!
よろしくお願いします!
涙が止まらない。
相澤消太
相澤消太
本当にありがとうございます。
根津校長
根津校長
ああ、イレイザーヘッド。
彼女の指導は頼んだよ。早くクラスに合流できるといいね
なんとか雄英高校に編入できることになった私。

校長先生にお礼を言って、校長室を出る。
相澤消太
相澤消太
明日も手続きとかで忙しくなる、今日は雄英に泊まっていけ。
教員寮の空き部屋を使わせてもらえるだろう
○○
○○
はい。
何から何までイレイザーのおかげです、本当にありがとうございます。
相澤消太
相澤消太
元はと言えば俺が誘ったんだ、気にするな。
相澤消太
相澤消太
これから大変だと思うが、前向いて行こう。
プルスウルトラだぞ
○○
○○
はい!
まだまだスタートライン。

自分にそう言い聞かせつつも、高揚した気持ちは収まりそうにない。


私は頬に残る涙をふいて、イレイザーを追いかけた。

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