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第1話

プロローグ
72
2021/05/23 09:02
全人口のほとんどが個性持ちとなった現代。
街ではヴィランによる犯罪も多く起きている。
街中でヴィランに遭遇することももはや珍しいことではない。
街の人
街の人
キャー!!!!!!ヴィランよ!!
散歩していると、
またヴィランが出たようで、叫び声が聞こえてくる。

声が上がった方を見ると、大きなヴィランが女性に覆い被さろうとしている所だった。
○○
○○
(行ったほうがいいだろうか)
そう思っていると、ヒーローが駆けつけてきたらしい。

早くきてくれてよかった、そう思って私はまた歩き出す。


すると、
街の人
街の人
危ない!!!!!!!
後ろを見ると、さっきのヴィランが私の方へ走ってきていた。

周りから悲鳴が聞こえてくる。
○○
○○
(大丈夫、間に合う)
私はヴィランの攻撃をよけて、持っていた傘をヴィランに突き刺す。

ヴィランはうめき声をあげて地面に倒れ込んだ。
街の人
街の人
あの女の子いま、、、
○○
○○
(やばい、個性を使ってしまった)
私の個性は「空間移動」。空間浮遊や短距離の瞬間移動ができる個性。
いまヴィランの攻撃をよけたときに、とっさにその瞬間移動を使ったのだ。


いっせいに周りの視線が自分に集まるのを感じる。
○○
○○
では!
私はそう言うと、顔を見られないようにその場から走り出した。
いま私は16歳だが、高校には通っていない。
小さいときに親に捨てられてから、親戚の家に住まわせてもらっていたが、そこも中学校を卒業したときに追い出されてしまった。
いまはバイトを掛け持ちしたり日雇いの仕事をしたりして生活している。


個性は持っているが、ヒーローになりたいとは思わない。というか現実的に無理だろう。
なにせヒーロー科の高校はお金がかかる、私にそんなお金はない。
○○
○○
さっきのは個性使わないでも上手くよけられたな、今度は気をつけよう

目立たないように適当に生きていけばいい。
個性は身を守るために必要だったら使えばいい。


それだけでいい。



ずっとそう思っていた。

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